バンコク コンドミニアム物語

バンコクの不動産投資に関する情報発信

バンコクの不動産投資について、今起こっていること、これから起こること、そして投資のリスクや実践方法等、筆者自身も自己資金を使って投資しながら、その試行錯誤の中で得た経験を基に投資家目線で情報発信していきます。

2021年03月

バンコクより先にパタヤ市場が復活か(その3)

パタヤ4
ところで、Nationによると先週金曜のCESAの会議では、実は以下の条件付きでワクチン接種済の外国人観光客に対して、プーケットでの隔離検疫を免除するという“サンドボックス”計画が承認されたということであり、まだ本決定ではないようです。

Prime Minister Prayut Chan-o-cha, in his capacity as CESA chairman, however, has instructed TAT to discuss the plan with Phuket’s governor and CCSA(the Centre for Covid-19 Situation Administration) first before making it official.

CESAの議長であるプラユット首相はTAT(タイ政府観光局)に対して正式決定する前にプーケット市長とCCSAにまず相談するようにとの指示を出した

従って、最悪もしプーケットのこのプランがCCSAに却下されれば、当然それに続く計画の5つのリゾート地の1つ、パタヤも隔離検疫免除は実現できないことになり、検疫なしでの外国人観光客入国は来年以降になる可能性はまだ高いと思います。

ましてや、コンドミニアム市場に関していえば、少なくとも地元住民の7割以上がワクチン接種済であることがタイ政府の隔離検疫免除に対する前提条件であり、人口の比較的少ないリゾート地であれば、住民に優先的にワクチン接種して7割を達成することができるものの、800万人もいる大都市バンコクではもっとずっと先になり、隔離検疫がある以上、外国人投資家もなかなか戻ってこないのではないかと思います。

それもあって、バンコクよりもパタヤの方が外国人投資家が早く戻ってくることから、パタヤの
不動産マーケットが先に復活すると考えられるわけです。

さらに、プーケットやサムイに比べてパタヤの方がポテンシャルが高い理由は先にもちょっと触れましたが、以下のナイトフランクの説明の通りです。

“Even though we expect a market slowdown in 2020-2021, with new supply being postponed or cancelled as the demand weakens due to the pandemic, in the long term, the condominium market in Pattaya is promising as it is strategically located in the Eastern Economic Corridor (EEC). The U-Tapao Airport, just over 40 kilometres away from Pattaya, is expected to become Bangkok’s third airport, which will be connected by a high-speed rail line to Bangkok, through Pattaya. These projects will boost the number of foreign and local visitors to Pattaya, thus increasing the number of potential condominium buyers, driving the condo prices upward.”

2020年から21年の2年間は、コロナの影響による需要減でコンドミニアムの新規供給が延期されたり中止されたりすることから、市場は低迷すると予測している。
しかし、長期的にはEEC開発の恩恵を受けることからパタヤのコンド市場は有望である。パタヤから40キロ先のウタパオ空港はバンコク第3の国際空港となる予定で、新幹線でパタヤを経由してバンコク都に直結する。そして、これらのプロジェクトが完成すれば、国内外の観光客をさらにパタヤに引き寄せることになり、その結果、コンドミニアムに対する投資需要も増大し物件価格も上昇することになる

パタヤ5

ちなみに、もしパタヤの不動産を買う場合は、次のナイトフランクのコメントにあるように、不動産投資で極めて重要なポイントである開発用地の払底が既に起こっていること、しかもランドアンドハウスの人気ショッピングモール、ターミナル21も近くにオープンしたことで生活利便性も増したことから、やはりウォンガマットがベストだと考えています。

Wongamat marks the most exclusive and expensive area, partly due to the lack of developable beachfront land, and partly because it is possible to build right up to the beach, as opposed to most of Pattaya where the beach is on the opposite side of the road.”

ウォンガマットはパタヤでも特別な高級住宅地であり、その理由は海岸沿いに開発用地がほとんど残ってないことや、海岸とコンドミニアムを隔てる道路がなく直接海岸沿いに建設できることなどがある

一方、この数年やたら新規開発が多かったジョムティエンでは販売在庫がまだかなりあり、
開発できる土地もたくさん残っていることから、将来の供給過剰が心配であり、当面は避けておいた方がいいと考えています。

従って、私ならウォンガマットで、ビーチフロントとまではいわなくても海岸から少しぐらい離れていてもいいので、オーシャンビューのある1ベッドか2ベッドを買っておけば、たとえ建物は古くなっても将来EECの発展に伴って安定した資産価値を維持できると考えています。


バンコクより先にパタヤ市場が復活か(その2)

パタヤ2
さて、以下がその記事の主たる部分です。

Asset World Corp., the property unit of Thailand’s richest man, plans to acquire distressed hotels, betting on a quick revival in tourism once the Southeast Asian nation reopens to foreign visitors.

タイ最大の資産家(TCCグループオーナー)の不動産部門であるアセットワールド社は、東南アジア諸国が外国人観光客の入国を開始すると同時に、観光産業は直ちに復活すると確信していて、今後も経営難に陥っているホテルの買収を計画している

The Thai tourism industry “will come back very quickly” once the country is fully reopened in October. But some of the businesses that were facing problems before the pandemic won’t survive. “This situation is about cleaning up and maybe eliminating whoever was already not doing well before the crisis”

タイの観光業界も10月に外国人に国を開放すればすぐに復活すると見ている。しかし、コロナ禍以前から既に経営がうまくいってなかったようなビジネスは生き残れない。そういう意味では、今回の感染災害はもともと不要であったビジネスが一掃されるきっかけになる

Tourism-reliant Thailand has gone without its millions of foreign visitors for a year, leaving its hotels and tourism businesses struggling to stay afloat. Some properties have closed down and may not reopen when international travels resume later this year.

タイはもともと観光産業に依存しているが、この1年間外国人観光客がいなくなったことで、ホテルや観光関連のビジネスはどれも生き残りに四苦八苦してきた。中には既に廃業してしまったホテルもあり、これらは今年後半に外国人観光客が戻ってきても営業再開は不可能である

“The gap between buyers and sellers for projects, which are available for sale now, is closing. That means there’s more alignment on pricing today”

そして、ホテルの売り手と買い手の間での売買価格の差も縮小しつつあり、取引の成立が可能な水準になってきている

こんな状況下で、まずはパタヤの高級ホテルが買収されつつあり、改修工事後、新たなブランドでオープンされるようです。


ただし、先週発表された7月からのプーケットでの隔離検疫なしの入国開始は、最終的にCESA(Centre for Economic Situation Administration)より強力な権限を持つCCSA(Centre for Covid-19 Situation Administration)の許可が必要であり、これまでもTAT(Tourism Authority of Thailand)が提案してきた多くの案件がCCSAの反対で潰されてきていることもあって、パタヤの10月からの隔離検疫なし入国には、現時点ではまだあまり期待しない方がいいと思いますが...。

次回に続く



バンコクより先にパタヤ市場が復活か(その1)

パタヤ1
前回も書いたように、バンコクのコンドミニアム市場は完成在庫が多すぎる上に、もともとが外国人やタイ人投資家のゲンガムライ(竣工前転売)目的の購入が多かったことから、今年も竣工物件の引渡しがなかなか進まず、値下りが続くと思っています。

パタヤ3
そういう意味では、パタヤの場合はバンコクほどには転売目的の投機で市場が荒らされてはいません。また「まず、パタヤのメルトダウンが始まった?」で書いたように、昨年12月の感染拡大に伴うダメージでタイ人観光客さえもこなくなり、パタヤの不動産市場がほぼ崩壊状態になったこともあって、隔離検疫なしで外国人観光客がタイに来られるようになれば、コンドミニアムの市場規模が小さいパタヤだけにバンコクよりもリバウンドが速いように思います。

さらに、EEC(東部経済回廊)の開発で周辺の開発がスローながらも進んでいるので、プーケットやサムイのように100%観光客依存の島とは違って、ウタパオ空港の拡充や周辺地域の経済発展に伴う市場拡大も期待できます。

ちなみに、私のフランス人の友人が、ホテル料金が格安だからと2月にパタヤに遊びに行ったのですが、その日にホテルで泊まっていた客は自分たちだけだったといっていました。現時点では、パタヤの観光産業はこれでもかというほどに痛めつけられているわけです。

それもあって、昨年末あたりから私も自分で使うためにパタヤの築浅中古で、オーシャンフロントとまではいわなくてもオーシャンビューでいいので、将来も価値の落ちない手頃なウォンガマットの掘り出し物件を物色し始めています。

やはり、プーケットに行くのは面倒ですが、ウイークデイであればパタヤはバンコクの自宅から車で90分ほどというのが魅力で、外国人だけでなくバンコクに住むタイ人のセカンドホーム需要も大きいというのがわかります。

ただ、ネットで面白そうな物件を見つけてもすぐに車を飛ばして見に行くのはさすがに難しいので、まだ買えてはいません。しかし、これだけコンドミニアム市場がどん底に落ちただけに、外国人観光客が戻り始めれば直ちに不動産市場のリバウンドが始まると思うので、そろそろ買いのタイミングが近づいているのではないかと考えています。

そんな中、数日前のブルームバーグの記事によれば、うまくいけば10月にはパタヤでも隔離検疫なしで外国人観光客受入始めるという計画が出てきたこともあって、いよいよタイでもトップクラスのマハセッティ(ビリオネアー)がパタヤでホテルの買収を始めたということです。

実際、中長期的には必ず外国人観光客は戻ってくるし、一方では既に多くのホテルが廃業してしまっていることから、パタヤのホテルはむしろリスクの低い投資対象であり、私の前職であった投資銀行のオポチュニティファンドなどは、こういうIRRが20%以上取れそうな投資効率の高い案件をいつも探しているわけで、今後、タイのホテル投資ファンドなども買い始めるだろうと思っています。

では、次回、この記事について見ていくことにします。


続々と出てくるプリセール価格以下の完成在庫処分

終わらない価格戦争1
数日前、「地価推移から将来の有望ロケーションが見えてくる(その4)」でコリアーズ・インターナショナルのプレスリリースの内容を少し書きました。

今回の彼らの調査では、昨年竣工したユニット数は57,220と、それまでで最高だった2018年の55,325ユニットをも超えて過去最高となったということであり、それが上のグラフです。

さらに、今年も45,000ユニット以上が竣工するものの、今の買い手不在の市場ではこれら完成ユニットも多くが引き取られず、完成在庫がもっと積み上がる可能性が大なわけです。

彼らの予想では、今年はこれら
在庫処分の価格戦争激化によって、既に資金繰りがタイトとなっているデベロッパーから最初のプリセール価格よりもさらに値引きされた物件が次々と出てくるという興味深いものです。

そこで今回は、経済紙グルンテープトゥーラギットに載ったこの記事の内容を、もう少し詳しく見ていきます。

สำหรับในปี 2564 คาดว่าจะมีคอนโดมิเนียมที่สร้างเสร็จและจดทะเบียนแล้วมากกว่า 45,000 ยูนิตในพื้นที่กรุงเทพมหานคร การเติบโตของอุปทานคอนโดมิเนียมที่สร้างเสร็จและจดทะเบียนแล้วนั้นสูงที่สุดในปี 2020 เนื่องจากอุปทานใหม่ ในปี 2560 มีห้องชุดเปิดตัวใหม่ 58,424 ยูนิตและในปี 2561 จำนวน 66,021 ยูนิตพบว่ามีห้องชุดเปิดขายใหม่ 124,445 ยูนิตส่งผลให้ในปี 2563 ที่ผ่านมามีคอนโดมิเนียมจำนวนมากที่สร้างเสร็จและจดทะเบียนอาคารชุดออกจากอาคารชุดดังกล่าว โครงการที่เปิดขายในอดีต

2021年は45,000ユニット以上のコンドミニアムがバンコクで竣工することから、完成在庫はさらに増加すると予想される。そもそもこれらは(当時起こっていた中国人投資家の爆買いをターゲットに)デベロッパーが2017年に58,424ユニット、2018年に66,021ユニットと合計124,445ユニットもの新規プロジェクトをプリセールで売り出したものであり、それが2020年と2021年に一挙に竣工を迎えているのである。

สำหรับคอนโดมิเนียมที่สร้างเสร็จแล้วจำนวนมากนี่เป็นอีกปัจจัยสำคัญที่สร้างความกังวลให้กับนักพัฒนาว่าจะมีการโอนห้องชุดจำนวนเท่าใดเมื่อการก่อสร้างแล้วเสร็จและลูกค้าจะถูกเรียกให้โอนกรรมสิทธิ์ และหากต้องทิ้งหน่วยเหล่านั้นในปริมาณมากในการชะลอตัวของตลาดนี้จะเป็นอีกประเด็นสำคัญสำหรับนักพัฒนาที่จะนำหน่วยเหล่านี้กลับสู่ตลาดอีกครั้ง หรืออย่างที่เราเห็นผู้ประกอบการหลายรายเลือกที่จะขายหน่วยเหล่านี้ซ้ำโดยการลดราคาให้ต่ำกว่าในช่วงก่อนการขายก่อนหน้านี้เพื่อกระตุ้นความสนใจของเด็ก ๆ มากขึ้น และกระตุ้นการโอนกรรมสิทธิ์เพื่อรับรู้รายได้และดึงดูดเม็ดเงินเข้า บริษัท มากที่สุดด้วยเหตุนี้สงครามราคาจะยังคงดำเนินต่อไปในตลาดคอนโดในปี 2564

そして今、デベロッパー各社が憂慮しているのは、販売済の物件が今年またしても竣工後にユーザーに引き取られずキャンセルされてしまい、コンドミニアムがさっぱり売れない現在の市場で再度販売しなければならなくなることである。
この場合、多くのデベロッパーが最初のプリセール価格をも下回る値段で出すという価格戦争が続くことになる。デベロッパーにとっては、いつまでも完成在庫を保有しておくわけにはいかず、とにかく所有権を移転して売上計上し、できるだけ多くのキャッシュが必要なのである。

中国人の大量キャンセルだけでなくタイ人購入者からも引き続き竣工物件の引取拒否が続いていることから、今年竣工する物件の大半が完成在庫となって残るため、デベロッパーの資金繰りを圧迫します。

コロナの影響により、2020年は誰も予想していなかったコンド不況が市場を襲い、さらに運の悪いことに、2017年、2018年と中国人の爆買い時期とタイミングが合ってしまった結果、その時に大量に売り出された物件がちょうど昨年と今年に竣工を迎えるという最悪のことが起こっているわけです。

そういう意味では、そもそも中国人投資家なんか最初から来なければよかったともいえるのですが、逆にいえば、2017年のプリセール価格より安く新築物件が買えるというチャンスが来ているわけです。

もっとも、大量の解約が出ているということは、販売当時プリセールで買った人たちがそれでも要らないと捨てているわけですから、プリセール価格からいくら安く買えるかというのがポイントになってくると思います。

基本的にタイのデベロッパーの開発利益は粗利でも20%以上あるし、既に既存の契約者から15%から25%のダウンペイメントを解約違約金として
没収しているわけですから、ここでもし我々がこのキャンセル物件をプリセール価格で買ったら、彼らは当初計画していた利益をもう一度確保できてにんまりなわけです。

従って、プリセール価格以下での販売は昨年から既に一部で行われていたことでもあり、新築完成在庫でも駅近の優良プロジェクトで、しかもプリセール価格より2割ぐらい安くないと、私自身は食指が動きません。


トムヤムグン危機の再来でバーツ暴落か(その2)

バーツ暴落の危険性4
さて、以下が今回のコラム記事の主なポイントですが、実際、為替の予想というのは非常に難しいものです。

ちなみに、これはアメリカのサイトだと思うのですがGov Capitalというところによると、上のグラフのように今のドル高バーツ安は短期的なもので、今年1年を通してみるとまたバーツ高に戻ると逆の予想をしているところもあります。


ただ、タイバーツというのは日本円やユーロ、スイスフランのようなバスケット通貨にもなってない世界の片隅のローカル通貨にすぎず、欧米の機関にどこまでタイ経済の実態がわかるかというと大いに疑問であり、それだけにこのタイ人エコノミスト、CHARTCHAI PARASUK氏が語るコラムには価値があると思うのです。

According to my analysis of available data from the Bank of Thailand, the economy in 2021 will not rebound from a negative growth of 6.1% last year and could risk facing a financial crisis like in 1997.

タイ中央銀行から出ているデータを私なりに分析した結果、2021年のタイ経済は昨年のマイナス6.1%成長からリバウンドするということにはならず、むしろ1997年と同じような通貨危機が起こるリスクがある。

This year, history is likely to repeat itself. The condition of inadequate domestic liquidity is almost the same as in 1997 but the actors differ. At that time, the culprit was Thai financial institutions who borrowed beyond their capacity. But this time, the culprit is the Thai government borrowing beyond its capacity.

ただし、
金融機関が返済能力以上に多大な借金をしたことが原因で起こった1997年の通貨危機とは違い、今年の資金流動性の危機はタイ政府の膨大な借金が原因で起こる。

Two pre-conditions of a financial crisis -- foreign financing and borrowing short -- were met. Here comes the third one -- reaching a limit.

そして今、資金流動性の危機が発生する3つの条件の内、外国からの借金、短期資金の借り入れの2つが既に満たされていて、最後の借り入れの限界点到達が残るのみである。

In the fiscal year 2021, the government will need another 1 trillion baht to cover its deficit and finance Covid relief programmes. The problem is this year the government cannot rely on foreign inflows. Money is flowing out of Thailand.

今年、タイ政府は財政赤字とコロナ対策のためにさらに1兆バーツ(3兆5,000億円)もの資金が必要であるが、問題はこれ以上外国からの資金流入に頼れないことにある。それどころか、これまで入ってきていた資金が海外に流出し始めているのである。

Things started to change at the beginning of this year. There were net capital outflows of $1.3 and $2.9 billion in January and February respectively. (Now you know why the Thai baht is falling.) This trend is likely to continue throughout the year as interest rates in the US start rising, investment in other emerging economies looks more promising, and, most importantly, our currency devalues quickly.

この変化は今年の初めに起こった。1月と2月の海外への資金流出はそれぞれ13億ドル(1,400億円)、29億ドル(3,130億円)となり、それに伴ってタイバーツ安が始まったのは周知の通りである。そして、アメリカの金利が上昇する中、このドル高バーツ安のトレンドは年内続くと予想される。さらに、経済が低迷するタイよりも他の経済新興国への投資の方に魅力があることから、ここでも資金流出が起こり今後急速なタイバーツ安が発生する。

Within a few short months, the government will have difficulty financing its humongous debt requirement. 

あと数カ月もすれば、タイ政府はその膨大な借金の資金手当てができない問題に直面するはずである。

以上ですが、このエコノミストも随分過激なことをいっているので、バンコクポストの読者からのコメント欄にも多くの反対意見が寄せられています。

しかし、もし彼のいう通り、あと数カ月後には資金流動性の欠如によりタイ政府が今やっているタイチャナなどの資金を調達できなくなれば、タイにはもうお金がないということであり、それを見た外国からの資金はさらに流出していくことになり、タイバーツ暴落はあり得るような気もします。

いずれにせよ、不動産などの固定資産を持っている人は動けないとしても、預金や株式のような流動資産が多い人は、まだタイバーツが高いうちに一旦別の通貨に避難しておくのもありかもしれません。

例えば、最近私はタイ国内の証券会社で為替ヘッジのない米ドル建ての投資信託を買いましたが、わざわざ海外に送金しなくてもこういうやり方での避難方法もあります。

また、これから本当にタイバーツ暴落が起これば、いよいよ今度こそタイ不動産の買い場到来になります。その時には私も、カンボジアからドル資金を呼び戻すことで、海外から送ってきた外貨でしかタイの不動産は買えない、という必須条件を満たせることになるので、米ドルから見て2割、3割とさらに安くなったバンコクの不動産を底値買いするつもりです。


トムヤムグン危機の再来でバーツ暴落か(その1)

バーツ暴落の危険性1
これは先週のバンコクポストに載っていた著名なタイ人エコノミストのレポートですが、今年、タイ経済は回復などせず、むしろ1997年と同じようにタイバーツの暴落が起こる可能性があるというものです。

ただし、前回の危機ではタイの金融機関の間で資金流動性がなくなってバーツの暴落が始まったのに対して、今回はタイ政府が昨年に続き、今年も1兆バーツ(3兆5千億円)もの借金をしてしまうため、外国の資金が海外へ還流すれば、その資金の出し手がいなくなりバーツ暴落が起こるというものです。

このエコノミストはIMFで経験を積んだフリーランスで、私は初めて1月にこの人のレポートを読んで説得力があったので、それ以来、彼のコメントに注目しているのですが、このブログでも以前
今のドル高タイバーツ安、今後はどうなる?(その2)」や「3月2日、タイ航空はいよいよ“飛ぶ”のか?(その2)」で「Time to bid farewell to Thai Airways?(タイ航空にお別れを告げる時が来た?)」という彼の興味深いコラムを紹介しました。

従って、
今回は資金流動性の問題が起こる理由については以前書いたので詳しく書きませんが、今回のバンコクポストのコメントでも当初の予想通り、1月、2月とタイから多額の資金が海外に還流し始めており、このままではバーツ暴落の可能性があるという警告をしているわけです。

私もこれまでこのブログで何度か書いてきたように、今のタイバーツは高すぎると考えていたので、投資用不動産を売却した資金を何回かに分けて米ドルに換えてきたのですが、既にかなりの金額になったこともあり、昨年の12月に1ドル=30バーツを切ったところで最後の交換をして打ち切りました。

バーツ暴落の危険性3

そして、「やがてタイバーツのスイングバックが始まる?」で書いたように、いつになるかわからないものの、ドル高バーツ安がいずれ始まると考えていたので定期預金にしてそのチャンスをじっと待つことにしたのですが、最近の週足を見ていると、どうやらこのスイングバックが起こり始めているようにも見えます。

ところで、私の場合は現在カンボジアのアグレダ銀行とカナディア銀行の2つに分散して米ドルの定期預金をしているのですが、今回のこのコラムを読んで、タイバーツは極力減らしてもっと米ドルにシフトして定期預金にした方がいいのかもと考え始めたところです。

バーツ暴落の危険性2

ちなみに、このドルバーツのグラフを見るとわかりますが、1997年の通貨危機の直前、1ドル=25バーツだったのが瞬く間に50バーツ以上に、つまり、1年間で半分以下の価値に暴落してしまったのがわかります。

もしこんなことがまた起こったら大変なので、少なくともある程度タイの経済回復が見えてくるまで、タイバーツ資産はあまり持たない方がいいように思います。

そういうことなので、次回、このエコノミストが指摘している内容のポイントを紹介していくことにします。

次回に続く







地価推移から将来の有望ロケーションが見えてくる(その4)

地価推移4
ただし、そうはいっても現時点ではまだサムットプラガーン県の先まで行って、家賃が5,000バーツも取れないような安かろう悪かろうの物件に投資しても仕方がないので、現時点ではプラカノーンからウドムスクにかけてのシティフリンジからミッドタウンが投資先として適していると考えています。

一方で、それでもやはりトンローやプロンポンといった高級住宅地で買いたいという人は買えばいいですが、既に天井圏にあるスーパーラグジュアリー級の物件は、
向こう3年くらいは値下りこそしても、値上りはしないだろうと考えています。

いずれにせよ、上の記事のように、最近のコリアーズの調査によると、昨年竣工しデベロッパーが土地局に登記したコンドミニアムのユニット数は、過去30年で最高となったということです。先にも書いたように、中国人投資家の爆買いでデベロッパーが調子に乗って大量に売り出したプロジェクトですが、これらが昨年、竣工引渡しを迎えたところで大量にキャンセルされた結果、完成在庫として市場に溢れているわけです。

従って、以前「スクムビット通り偶数側はさらに一段安か(その2)」で書いたAREAの警告にあるように、下手をすると2022年あたりにコンド市場全体の暴落ということもあり得ないわけではないので、デベロッパーや仲介業者の営業トークに乗せられて安易に買うのは失敗のもとです。

時間はまだたっぷりあるし、まず自分の投資クライテリアをしっかり決めて、これならたとえ自分の予想が外れて将来損しても後悔しないと納得できる物件を見つけるべきです。

私もそういうスタンスで次の投資物件を物色しているところですが、ミッドタウンで
駅から200メートル以内、築5年以内、信頼度の高い大手デベロッパーの中級グレード以上のプロジェクト、価格はZmyhomeのデータを基に平均価格から少なくとも2割以上安いこと等々、基準をかなり厳しく設定しているので、今のところこれはと思う物件は出てきていません。

やはり、本当に有望な築浅中古はタイ人オーナーも無理して売ろうとしないので、まれに資金繰りに窮して投売りに出てくる物件を狙い撃ちするしかないのですが、前もってこれはいいというプロジェクトを3つから5つぐらいに絞り込んだ上で、定期的にCondo Exchange CenterやLiving Insiderでチェックしていくしかありません。


ただし、先の地価推移グラフからもわかるように、今回のコロナ禍にあっても地価だけは依然上り続けているのがわかります。つまり、ロケーションによって早い遅いの違いはあるものの、バンコクで将来新規で開発されるコンドミニアムの売出価格は、中長期的にまだ上り続けると考えた方がよさそうです。

そこで気をつけなければならないのは、土地の持ち分が大きい戸建てやタウンホームと違って、コンドミニアムの場合、価格に占める建物や設備の比重が大きいという点です。

特にタイのコンドミニアムの場合、施工がいい加減で隠れた瑕疵も多く、大手であっても無責任な施工をするデベロッパーも結構あります。また、基本的に彼らは売りっぱなしで、売った後の顧客サービスのことなどほとんど考えてないと思った方がいいです。

その結果、日本以上に経年劣化が激しく、10年もするとファサードに亀裂は入るし、明らかに古ぼけてくるプロジェクトが大半です。そして、建物や設備の劣化に地価の上昇が追いつかなくなり、結局は値下りする物件がかなり出てくる、いや、むしろタイの場合、その方が多いと思っているので、慎重な投資判断が必要です。


地価推移から将来の有望ロケーションが見えてくる(その3)

地価推移3

これは以前、私が著書の中で使った2017年に地価が高騰したバンコクのトップ13駅の表です。ただし、これらは駅周辺の地価ということであり、前回のプライムである特定の1地点の最高価格表とは単純に比較できませんが、住宅地の地価という意味では、むしろこちらの方が参考になります。

ちなみに、バンコクのコンドミニアム市場に異変が生じ始めたのが2018年の9月頃からです。当時このブログでも、それまでイケイケで爆買いしていた中国人だけでなく、一部のタイ人投資家までが一転して契約キャンセルに動き始めたことから、マーケットに異変が起こっているので転売目的で買った投資家はもう売却した方がいいと書きました。

一方、私が投資アドバイザー契約をしていた日本の法人投資家に対しても、これ以上の購入を中止し購入済みの予約権もすべて売却するようにとアドバイスしたし、同時に私自身もトンローに持っていた3つの投資物件をすべて売りに出しました。

その後、2019年に入ると明らかに市場の失速が始まったものの、ちょうど運よく年後半から激しくなった香港の民主化デモの騒ぎで、香港投資家が避難用にとバンコクのコンドミニアムを買い始めた流れに乗れ、何とかコロナ禍が始まる前の2019年末までに全部売却できました。結局、市場が売り手市場から買い手市場に変わる難しい時期であったことから、売却に1年以上の時間を要したわけです。

そういう意味では、2017年というのは外国人投資家だけでなく、タイ人投資家もガンガンの強気でコンドミニアムを買い漁っていた最後の年であり、その時に彼らの間で将来有望だと注目されていたのがこれらの駅だったということになります。

そこでわかるのは、タイ人実需層をも含めると当時からBTSスクムビット線沿線の南方面(黄色の駅)の人気が高く、地価上昇トップ13駅の内、7駅が入っています。すなわち、街はこれから南に向かって発展するということです。

さらに、この年に最も地価が上昇したオンヌット駅は、昨年もタイ人アッパーミドルクラスの人気ナンバー1と人気は衰えていません。2017年に70万バーツ/4㎡だった地価は、100万バーツ/4㎡を超えていると地元のブローカーから聞いたのが
1年以上前のことだったので、先の表にあるように昨年末でエッカマイが165万バーツ/4㎡をつけたのなら、2駅先のオンヌットの地価もさらに高い水準になっているはずです。

それに、2016年以降、中国人が爆買いしたラチャダーピセーク通りに比べれば、プラカノーン以南はまだ中国人投資家のプレゼンスが比較的小さかったこともあり、スクムビット線の南側沿線は比較的早く需給が引き締まってくると考えています。

次回に続く



地価推移から将来の有望ロケーションが見えてくる(その2)

地価推移2
さて、では人気の高いBTSスクムビット線ならどこも有望なのかというと、それもまた違います。やはり、北方面より南方面が主役です。

現在のバンコク3大CBDといえば、既にヤワラートが外れて、ロワー・スクムビット、セントラル・ルンピニ、そしてシーロム・サートーンの3つのエリアですが、上の表は、2020年末のバンコク中心部プライムロケーションの地価です。

同じCBDを走るBTSシーロム線や地下鉄MRTよりもロワー・スクムビット、セントラル・ルンピニを走るBTSスクムビット線沿線(黄色の部分)に地価の高い地点が集まっているのがわかります。

さらに、この6つの内、パヤータイを除く5つが、BTSシーロム線とのジャンクションでもあり、バンコクで最高地価となったサイアムスクエアから南に向かう沿線です。

南下するにしたがって、当然地価は下がっていきますが、それでもシティフリンジに近いエッカマイまでいっても最高価格は165万バーツ/4㎡と都心部のパヤータイを超える地価水準になっています。

一方、同じスクムビット線の延伸線でも北側は、先に行くほど欧米人を見かけなくなります。いわゆる庶民の住宅エリアが広がっているのですが、バンスーから延びるパープルラインなどはその最たるもので、中低所得層が多く、当然、コンドミニアム価格も手頃で、300万バーツ(約1,000万円)もあれば、新築の2ベッドルームも無理ではありません。

しかし、ある程度高い家賃が払える賃貸需要があるということが不動産投資にとって必須条件であり、中低所得層が中心のロケーションは投資対象としては適しません。

わかりやすくいうと、一都三県である東京、神奈川、埼玉、千葉の中で、東京についで人気があるのが神奈川であるのと同じです。スクムビット線の南側延伸線の駅、ベーリングを超えるとそこはパリモントン(郊外)と呼ばれるサムットプラガーン県に入るのですが、最近は大型プロジェクト、メトロポリスの完成もあって、南側にはサムローン辺りまで次第に欧米人が移り住み始めています。

次回に続く


地価推移から将来の有望ロケーションが見えてくる(その1)

地価推移1
これは最近、不動産調査会社であるAREAが1994年までさかのぼって、27年間のバンコクCBDの地価の動きをグラフ化したものですが、これまでのバンコクCBDの変遷がこのグラフを見ると手に取るようにわかります。

私の最初の著書、「バンコク不動産投資・基礎編」でも書きましたが、もともとバンコクのCBD(中心部ビジネス街)として発達したのはヤワラート(中華街)でした。当時、タイ経済を牛耳っていたのがタイジーンと呼ばれる中華系タイ人であったことから、ビジネスの中心はこのヤワラートだったわけです。

ちなみに、今もタイ経済の中枢にいるのはこのタイジーンなのですが、シンガポールやマレーシアの華僑と違って、彼らは自分たちは中華系である前にタイ人だと考えているので、タイ人であることに誇りを持っていて華僑とは一線を画しています。それもあってタイ社会においてうまく溶け込んでいるといわれています。

その後、CBDは次第に交通要所であったシーロム通りとスリウォン通り周辺に移っていったのですが、これも1999年12月にタイで初めてのマストランジットシステム(大量輸送機関)、BTSスクムビット線が開通したのを契機に、サイアム、チットロム、プルンチットといったスクンビット線沿いへとさらに移っていきました。

そして、次に地下鉄MRTが開通すると、その2路線が交わるアソークが新たなビジネスの中心地となって現在栄えているわけです。

しかし、BTSやMRTといったマストランジットの駅はもう動くことはないので、将来アソークやプルンチットがかつてのCBDであったヤワラートのように衰退していくということはまずないと考えていいと思います。

特にアソークは、今後ラーマ9、クイーンズシリキット、ワンバンコクといった新ビジネス街とプルンチットやチットロム、シーロムの既存CBDを連結させる基幹駅として、今後ますます重要性を増すと私は考えています。

一方、今は建設中の新線であるオレンジラインやイエローラインの沿線でも大量のコンドミニアムが開発されつつありますが、自宅としてタイ人が実需で買うのとは違い、外国人の投資先として見た場合、マストランジット沿線の駅であればどこでもよいのかというとそれは違います。

例えば、地下鉄MRTの走るラーマ9からラートプラウ、そしてパホンヨーティン周辺などは、中国人の爆買いが始まった2016年以降、デベロッパーがいけいけで大量の新規供給をしたところです。

しかし、2019年4月のLTV規制以降に顕著となったコンド市場の失速、そして2020年のコロナ禍と続いたため、住宅銀行の調査機関REICによれば、中国人の半数がキャンセルに動いたといわれるほど大量の解約が出たようです。その結果、今も大量の完成在庫による供給過剰がひどく、少なくとも向こう3年は需給が締まらないと私は思っています。

次回に続く


でんでん太鼓スイングとゼンマイばねスイング(その2)

タイのゴルフスイング2

ところで、日本で人気のレッスンプロ、坂本龍楠氏のYouTubeレッスンを見ていると、この人もアマチュアに対しては、捻転差というよりもむしろ体と腕を同調させて体の回転で打つシンプルなスイングを推薦しています。

そして、そのスイングでやはり250ヤードほど飛ばしているので、難しいスイングなどしなくても十分上級者と変わらないドライバーショットが可能ということでもあります。

さらにテイクバックでは、左腕はあまり突っ張らず曲げた方が無理なく打てるといっていて、前回書いたタイ人のスイングはこれにかなり近いのではないかとも思うのです。

従って、いろいろとスイング理論を探求したい人は別として、ウエイトトレーニングや水泳も好きでいつも身近にあるジムやプールを利用している私のような初級者にとっては、ゴルフをもっと簡単に楽しみたい方であり、捻転差や最近流行のシャローイング、地面反力がどうしたこうしたという複雑なスイングは必要ないということかもしれません。

実際、最近私は捻転差を極力小さくしてスイングするようになったのですが、やはりこちらの方がボールコントロールがよくなりました。

タイのゴルフスイング3

ただし、こういう上級者向けのテクニックを軽視しているわけではなく、理論として最新の動画などは非常に興味があるので私もよく見ています。

ちなみに、私がいつも見ているYouTubeで“Top Speed Golf”というレッスン動画があります。その中でクレイ・バラード氏が詳しく解説するスイング理論や実演は非常に参考になります。

もっとも、残念ながらまだ100切りもできてないゴルフ初級の私には、テクニックが少し難しすぎるよう
で、参考程度に見ているだけですが...。

しかし、
日本のYouTube動画よりも内容が濃いような気がするので、最新のゴルフスイングを知りたい上級者などには参考になるかもしれません。結局日本のゴルフスイングがアメリカの受け売りなら、最初からアメリカの最新レッスン動画を見た方が効率的だとも思うのです。

実際、この中で彼が解説しているのが、日本でも人気が出てきたシャローイングやアメリカではラグ(Lag)と呼ばれる捻転差を使ったスイングだし、他にも一旦沈んで伸び上がってジャンプするスイングやボールでなく左45度手前(右利きの場合)に向かって振り抜くテクニックなどを紹介しています。

残念ながら英語でしゃべっているし、日本語字幕もないのでいっていることはわからないかもしれません。しかし、ゴルフなので英語はわからなくても動画を見ているだけで大体のところは理解できるのではないかとも思います。

また、このレッスン動画はチッピングショットやロブショットの打ち方も教えてくれていて、こういうのは私にも非常に役に立つので、上級者だけでなく初級、中級者にもお勧めだと思います。


でんでん太鼓スイングとゼンマイばねスイング(その1)

タイのゴルフスイング1

ゴルフスイングはでんでん太鼓のようにして打てとよくいわれます。つまり、胴体が先に回って腕が後から追いついてくるように打つことで飛距離が伸びるというものです。

さらに、上半身と下半身との捻転差を使ったスイングがベストといわれていて、実際、PGAのプロを始め上級者はみんなこの捻転差を使ったスイングをしています。

ゴルフ捻転差1
以前「スイングが身についてくるとゴルフは楽しい!」で雑誌ゲーテのこの写真記事を添付しましが、日本でも中上級者の間ではこの下半身リードの捻転差を使って飛ばすのが主流です。

しかし、バンコクのローカルのゴルフ練習場に行くとよく見かけるのが、
ゼンマイばねがぐるっと元に戻るように体を回転させてスイングしているタイ人ゴルファーです。

捻転差はなくシンプルに体の回転に腕とクラブを同調させてスイングするのです。テイクバックで深く体全体を限界まで捻転してから切り返しているのですが、不思議なことにこれがまた飛ぶのです。

ところで、私はタイに来てからゴルフを始めたので、ゴルフ歴はまだ3年にもなりませんが、最近、何とかこの捻転差を使って打てるようになり、確かにドライバーの飛距離は10ヤードから20ヤード伸びました。

ただし、体の動きがその分複雑になるので、ただでさえボールコントロールが悪かったのがさらに悪くなり、飛んでいく方向性のバラツキがひどくなるという副作用に泣かされています。

そんな時に、ドライビングレンジで練習していたら、隣で練習していた年配のタイ人が「もっと体を深く回して体の回転の戻しでスイングした方が飛ぶ」と声をかけてきたのです。

タイのゴルフスイング4

よくいる教えたがりのアマチュアゴルファーかと思ったのですが、その人のスイングがコイル型のゼンマイがほどけて元に戻るようにぐるっと体を回しながら打つのです。しかも、右利きの場合、普通左腕は一直線にしたまま切り返しに入るのが、この左ひじまで曲げて体に巻き付けるようにして体の回転で打つスイングで、捻転差などはありませんでした。

そして、このゼンマイバばねの写真の説明にも書いてあるように、こういう形は深く捻転してエネルギーを蓄えてから小さいスイングで回転方向に強力な力を発生させることができるわけです。野球の野茂投手のトロネード投法のようなスイングであまり格好よくは見えませんが、しかし、これがゆうに200ヤード以上飛ぶし、しかもまっすぐ飛んでいくのです。

以前、レッスンプロの中井学氏が、捻転差を使えるようにならなければ一生飛距離は伸びないといっていたのですが、このスイングを見て、少なくともアマチュアゴルファーにとっては200ヤード以上飛べば、まずはこれで十分であり、必ずしもボールコントロールが難しい捻転差を使ってスイングする必要はないのではないかと思ったほどです。


しかも、こんな打ち方をするタイ人ゴルファーはその練習場に来ている人だけでも結構いるのです。また、そこには5人ほどのタイ人レッスンコーチがいるのですが、どうも誰も捻転差のことなどはあまり教えてないように見えるのです。

ちなみに、その中の一人のコーチは私の打ち方を見て、それはスイングではなくヒッティングだとか理解不能なことをいってましたが、ゴルフ強国タイではゴルフスイングの考え方がちょっと違うような気もします。

もっとも、ゴルフのスイング理論については10人10色で語り出したらキリがなくなるので、これはあくまで私がよくいく練習場で観察した結果、個人的に考えたことだと思ってください。

次回に続く



今のドル高タイバーツ安、今後はどうなる?(その2)

ドル高バーツ安4
さて、以下は年初にバンコクポストに載っていたエコノミストによるコラム記事ですが、実は私はこれを読んで、タイバーツを米ドルにしてきてやはりよかったのかもと安心した次第です。

2020年は世界各国の政府がコロナ対策として大量の借金をしてきました。これはタイ政府も同じですが、タイのようにGDPの2割にも相当する観光収入がほとんどなくなってしまった国が、昨年のラオマイティンガン(我々は誰も見捨てない)や、今のラオチャナ(我々は勝利する)といった国民援助を続けた結果、政府は2021年は1兆バーツ以上の借金をする必要があり、その資金が枯渇するリスクがあるというものです。

There is a type of capital inflow called "hot money" which flows into a country for speculation, usually in foreign exchange, not for actual investment. I estimated that there was $12.2 billion of hot money flowing into Thailand in 2020. Once converted into Thai baht, it was about 400 billion baht which nicely satisfied the remaining financing gap for the government.

122億ドルの投機的なホットマネーが2020年にタイに入ってきたと思われ、これがタイバーツに交換された結果、4,000億バーツの資金供給となり、昨年はタイ政府の資金需要を満たすことができた。

My deep concern is, what will happen when it flows out? The Thai monetary system will be 400 billion baht short of liquidity is the answer. Does it sound like what happen in 1997?

しかし、問題はこの4,000億バーツもの投機資金が海外に流出し始めればどんなことが起こるかということである。タイの財政は資金ショートを起こすことになり、これは1997年のトムヤムクン危機と状況が似ているのである。

Luckily, there is still about 750 billion baht of excess liquidity left in the system. But that still leaves a financing gap of 250 billion baht and, if hot money does flow out, the gap will increase to 650 billion baht. That's enough to trigger a liquidity crisis.

現時点ではタイには7,500億バーツの手元流動資金がある。しかし、今年はさらに1兆バーツもの資金が必要なことから2,500億バーツの資金不足となる。しかも、もしこの4,000億バーツが海外に逃げ始めれば合計6,500億バーツの資金不足となるため、資金流動性の危機が再び起こる可能性がある。

政府は以前のように国債を発行して調達すればいいと考えているのかもしれませんが、かつては世界4位、2兆ドルもあった観光収入が消えてなくなった先進国でもないタイの国債を、これからも外国の投資家が買うというのは安易な考えです。

米国のトレジャリーボンドや日本の国債なら信用力があるので海外の投資家も買ってくれるでしょうが、世界でもワーストクラスに入るほどGDPが落ち込んでいる発展途上国タイの国債を誰が買うのかと考えると、このエコノミストが書いているように、確かに流動性危機があるような気がします。

また、2019年並みに4,000万人もの外国人観光客がタイに戻ってくるのは2023年か2024年といわれている中、タイ経済がそう簡単に回復するはずもなく、一方で米国は景気も次第に好転しつつあり、最近長期金利が上がり始めたことから、今のドル高バーツ安はこのホットマネーがアメリカに還流し始めているのかもしれません。

もっとも、私は為替のトレーダーでもないし、あまりタイバーツばかり持たずに米ドルや他の通貨にある程度分散しておくほうがよさそうだと思って、昨年来、米ドルにシフトしてきたのであり、手持ちのタイバーツを全部外貨に換えた方がいいとは考えていませんが...。


今のドル高タイバーツ安、今後はどうなる?(その1)

ドル高バーツ安2

このところ、顕著なドル高バーツ安の流れが続いていますが、これに関して2日前にこんな記事が出ています。

The Thai baht, this week, fell to a 4 month low against the US dollar at ฿30.50 as market sentiment in the United States shifted sharply with an increasing value placed on bonds and rising borrowing costs.

今週、タイバーツ相場は1ドル=30.5バーツとこの4カ月で最安値を付けた。この原因は米国の金利上昇によりマーケットセンチメントが変わったからである

上の日足チャートでもわかるように、昨年11月3日のアメリカ大統領選でトランプ大統領が負けて以降、海外から大量の資金がタイに流れ込んできたことで、急激なバーツ高が進んだともいわれています。

ただ、この資金はいわゆるホットマネーであり、不動産投資や設備投資などの長期投資目的ではありません。従って、米国での金利が上昇した途端、早速還流が始まっているわけです。

ドル高バーツ安3

私個人としては米ドルに対するバーツ高は行き過ぎと考えていたので、2ヵ月ほど前になりますが「やがてタイバーツのスイングバックが始まる?」と題して2回にわたり、ドルバーツのレートがここ10年で見た場合の1ドル=30バーツという限界値に近づいてきたこともあり、いずれスイングバックが起こるので米ドル購入のチャンスではないかと書きました。

そして今、米ドルが復権しつつある中、やっとバーツ高に歯止めがかかり、タイ中央銀行やタイの輸出産業にとってもホッと一息というわけです。

もっとも、今のはバーツの独歩安ではなく、むしろ米ドルの独歩高なので、一概には安心できませんが...。

ドル高バーツ安1

以前にも書きましたが、私も昨年からコスト平均法で定期的にドルを買っては定期預金してきたのですが、現時点での平均購入コストは1ドル=31.5バーツとなっています。

従って、このグラフにあるように今朝の交換レートはバーツ安がさらに進んで30.8ではあるものの、まだ為替差損が出ていることになります。もっとも、受取利息も考慮すれば中長期的にはそう大きく損することはないだろうと考えているのですが...。


一方で、昨日も書いたように、当面、タイの不動産市場は「一寸先は闇」の状態であり、運を天に任せて何千万円もの資金をコンドミニアムに投資する気にはならないし、税務上の非居住者となって今年でやっと10年になるので日本に資金を戻すつもりもなく、とにかく今は外銀で米ドルにして温存しているわけです。

さて、私がタイバーツの保有を避けて米ドルに換えている理由の一つにタイ政府の資金流動性の問題があります。つまり、政府はコロナ禍で大量の資金を使ってしまったため、そして今年もまだ相当な資金を使う予定であるのに対し、政府に資金がなくなりつつあるというものです。

これはトムヤムクン危機の時と同じ資金流動性の危機であり、万が一、再びタイバーツ暴落などとなれば怖いからです。


次回に続く


スクムビット通り偶数側はさらに一段安か(その2)

2021年市場予測2
さて、不動産調査会社のAREAによる「ปี 2564 ตลาดที่อยู่อาศัยจะร่วงใช่ไหม(2021年の住宅市場はさらに下落する)」という最近のレポートがあり、その中で彼らは以下のようなことを書いています。

อุปทานคงเหลือสะสม 226,645 หน่วยนี้ ต้องใช้เวลาอีกถึง 36.9 เดือน หรือ 3 ปีจึงจะขายหมด หากไม่มีการเปิดตัวโครงการใหม่เลย  แต่หากยังมีการเติมหน่วยขายเข้ามาอีกเรื่อยๆ การขายก็จะยิ่งช้าลงไปอีก และอาจทำให้สินค้าที่มีอยู่ในตลาดในขณะนี้ ล้มหายตายจากไปได้เป็นจำนวนมาก  นี่แสดงว่า “ระเบิดเวลา” ที่รออยู่อาจจะส่งผลให้ตลาดที่อยู่อาศัยในปี 2565 ทรุดลง แตกต่างจากที่บางฝ่ายคาดว่าตลาดที่อยู่อาศัยจะดีขึ้นในปี 2564 และ 2565

現時点でのバンコク首都圏全住宅販売在庫は226,645戸もあり、これは今後一切の新規供給がないとしても在庫一掃に36.9か月、つまり3年かかるということだ。しかし、実際にはこれからも新規で販売されるプロジェクトが出てくるので、在庫調整にはさらに時間がかかることになる。
一部の専門家は2021年か2022年には不動産市場は好転すると楽観視しているが、それどころか、この大量の販売在庫の増加が時限爆弾となって、2022年には不動産市場の暴落が始まる可能性がある。

AREAは基本的にバンコクの特にコンドミニアム市場の供給過剰について厳しい見方をしてきているので、ตลาดที่อยู่อาศัยในปี 2565 ทรุดลง(2022年の不動産市場崩壊)という恐ろし気な表現をしていますが、これは多分にコンドミニアム市場についていっていると思います。

もっとも、私はここまではさすがにないだろうとは思うものの、結局は今のコロナ不況と反政府デモの行方次第と思っていますが...。いずれにせよ、しばらくは何もせずに様子見がベストだと思っています。

さて、ここに「กลุ่มสินค้าที่อยู่อาศัยที่ไม่ควรสร้างเพราะราคาลดหนัก(大幅値引販売が必至、新規の住宅開発を中止すべきエリア)」という題で、各デベロッパーに特定のエリアでは開発を中止すべきと警告しているAREAのレポートがあります。

コンドの値下りワーストエリア1
この中で気になったのが、多くの外国人投資家も購入してきたスクムビット通りからラーマ4のエリア、つまりスクムビット通り偶数側を指摘し、以下のような説明がされています。

สุขุมวิท - พระรามที่ 4 ห้องชุด ณ ระดับราคา 1.001-2.000 ล้านบาท หรือเฉลี่ยหน่วยละ 2.192 ล้านบาท ณ กลางปี 2563 ลดลงเหลือ 1.959 ล้านบาท หรือลดลงไปถึง -10.7% ภายในเวลา 6 เดือน
コンドミニアムで価格が100万~200万バーツの物件価格は2020年後半の6カ月で10.7%下落した

สุขุมวิท - พระรามที่ 4 ห้องชุด ณ ระดับราคา 3.001-5.000 ล้านบาท หรือเฉลี่ยหน่วยละ 4.232 ล้านบาท ณ กลางปี 2563 ลดลงเหลือ 3.899 ล้านบาท หรือลดลงไปถึง -7.9% ภายในเวลา 6 เดือน
コンドミニアムで価格が300万~500万バーツの物件は、昨年後半の6カ月で7.9%下落した

このエリアはアソークからプラカノーンにかけての偶数のソイということになります。そして、ここ5年ほどで大量供給が行われてきたソイといえば、36と38が思い浮かびますが、以前出したコラム集の表紙でも以下のような新旧両方の写真を添付して急速な発展の状況を説明したので、これを見ればその様子がわかると思います。

コラム集

当時は奇数側ではスーパーラグジュアリー級の30万バーツ/㎡を超えるプロジェクトしかなくなり、まだ地価の安い偶数側での開発が始まったのですが、短期間に大量の供給が出てきたところで、2019年のLTV規制で始まった不動産市場の失速に端を発して、その後のコロナと続いたため、一挙に需要が追い付かなくなったものと思います。

その結果、AREAは上のレポートで、価格が300万~500万バーツの物件は昨年後半の6カ月だけで7.9%も市場価格が下落したので、新たに新規供給しても売れないのでやるべきではないというコメントを出しているわけです。

そして、今の状況ではこれだけ需給が緩んでしまっている以上、今年もスクムビット偶数側は他のエリアよりもさらに価格が下落するのではないかと思うのです。やはり、ラーマ4周辺を含めたこのエリアにとって、起死回生の復活のためにはグレイラインの着工しかないような気がします。


スクムビット通り偶数側はさらに一段安か(その1)

2020決算
最近、不動産市場に活気がなく「休むも相場なり」ということでタイランド太平記の方ばかり更新していますが、このブログは「バンコク コンドミニアム物語」が元のオリジナルであり、この辺でこちらの方も最近目にした記事や参考になる情報をアップデートしておくことにします。

まず、APは2020年の業績が好調で最高決算となった結果、売上で長年1位の座を守ってきたプルクサーに取って代わったと注目を集めています。それだけを見ると、いよいよタイの不動産市場も反転し始めたかという期待を抱かせてしまうのですが、実態はこの表を見てわかるように、他の大手各社の利益は減っていて、不動産不況脱出と考えるのは早計です。

また、アナンダなどはなんだこれと思ってしまうほど利益の増減が激しいですが、昨年ディベンチャーでやたらと資金調達していたこともあり、資金繰りは本当に大丈夫なのかと思ったりもします。


なお、2021年、2022年の予想については、コロナと政治問題の2つによって不動産市場の動向は大きく左右されるのであまり参考にはなりません。

調査機関AREAのコメントによれば、たとえワクチン接種の広がりでコロナの問題が一段落したとしても、次に勢力を増した反政府運動が待ったなしでやってくるので、政情不安定な中では外国人投資家は戻ってこないし経済も回復しないということで、まだまだ先は不透明ということです。

ところで、AREAの意見もタイ経済全体の復活のためには民主的でない今の軍事政権は早く交代すべきということですが、一方でプラユット政権はまだまだやる気満々で頑張り続けるだろうから、反政府運動の決着についても長引きそうです。

その結果、以前「バイデンの眼中にないタイ、これからが至難の時代?」で書いたように、今のままではアメリカだけでなく他の西側諸国からもタイは軽視される可能性が高く、これもタイ経済や不動産市場にとってはよくありません。

AP売上構成
さて、APのこの売上構成を見ればわかりますが、前期躍進の主な理由はコンドミニアムに早めに見切りをつけ、ネーウラープと呼ばれる土地所有権付き低層住宅の開発に大きくシフトしたからであり、そもそも我々のような外国人は戸建てやタウンホームは購入できないので、決算だけ見てもあまり意味がないことがわかります。

しかも、2021年、2022年の計画ではコンドミニアムの販売は金額ベースでさらに減少する予定であり、APはコンドミニアム市場はしばらく諦めているようにしか思えません。

ところで、多くの人が密集して住むからコロナ感染のリスクが高いということでコンドミニアムが売れなくなり、代わりに戸建てやタウンホームに人気が移った、と昨年はまことしやかにいわれていたのですが、実はコンドミニアム内で感染者が出ても、その中で集団感染など一度も起こったことがなかったことから、あまり関係がないことがわかってきました。

そういう意味では、日本でもコロナ感染リスクが低いからということで戸建てがよく売れていると聞いたことがありますが、そうであれば、そのうちマンションには見直し買いが入るのではないかと思います。

一方、バンコクで昨年低層住宅がよく売れたのは、もともと外国人が買えなかったことからそれほど供給過剰や価格高騰が進んでおらず、需要と供給がマッチしていたからだという意見に変わってきているようです。


次回に続く


日韓空前のゴルフブームがタイゴルフ場の救世主に!

ゴルフ人気3

昨年、コロナが始まった際、タイ政府のやや過剰ともいえるフルロックダウンで、全国のゴルフ場も閉鎖させられました。

そのとき、あるタイの医者が、ゴルフ場まで閉めるのはおかしい、3密など関係ない屋外スポーツのゴルフは安全だし、その上、多くのゴルフ場があるタイではキャディなどの関係者で10万人もの雇用を守れる、と反論している記事を紹介しました。「ゴルフをやって10万人の雇用を取り戻せ!

当時はタイ政府も、ムエタイ(キックボクシング)会場で集団感染が起こったりしてややパニック状態になっていたこともあり、スポーツ競技はすべてロックダウンということに動いたのですが、その後、時間が経つにつれて状況がわかってきたことから、
まさに冬場のゴルフシーズンが始まったばかりの昨年12月に始まった第2波では、ゴルフ場はシャワーやロッカールームの使用禁止、クラブハウスでの飲酒禁止という命令が出たものの、幸運にもゴルフ場自体の閉鎖には至らず、我々もゴルフを楽しめることになりました。

しかしながら、「スイングが身についてくるとゴルフは楽しい!」でも書いたように、外国人観光客がほとんどいなくなった現状では、いくらゴルフシーズンといってもタイのゴルフ場はもともと外国人への依存度が高いので、今でもあちこちの人気ゴルフ場で特別ディスカウントのプロモーションが続いていて、経営は相変わらずきついのかもしれません。

ゴルフ人気1
しかし一方では、日本の情報誌などを読んでいると、日本や韓国では20代、30代の若者の間でゴルフ人気が出ていて、空前のゴルフブームになっているそうです。

これはコロナ禍が3密のないゴルフ業界に思わぬ恩恵をもたらしたともいえるのですが、上のグラフを見ても、コロナでカラオケや映画館、室内競技が落ち込む中、ゴルフは早々と復活してきたのがわかります。

さらに、今の日本ではゴルフコースだけでなく練習場も順番待ち状態だそうで、韓国に至ってはそれ以上のゴルフブームが到来しているそうです。

実はつい先日、たまたまバンコクに住む40代と思われる韓国人ビジネスマンと一緒の組になりラウンドしたのですが、韓国も日本と同じで以前はゴルフはお金持ちのスポーツと思われていたのが、今は若者たちの間で大人気になっているということでした。

これもゴルフ好きのトランプ大統領に、かつて「こんなのでは面白くないから韓国人プロはもうアメリカツアーから締め出せ」といわしめたほどに世界のゴルフシーンを席巻する韓国人美人女子プロ選手たちの影響なのかもしれません。

ところで、実は私は数年前のアン・シネでもなくキム・ハヌルでもなく、チョン・インジのファンなのですが、一昨年のパタヤでのホンダLPGAの時に彼女の横に立ってみると180センチある私の方が小さいのではないかと思うほど、がっしりした体格をしていました。

また、同じ日に「タイで期待される渋野日向子とモリヤ・ジュタヌガーン」で紹介した妹のアリヤ・ジュタヌガーンも見ましたが、ドライバーが飛びすぎるのでフェアウエイウッドの3番でティーショットをするというだけあって、やはり世界の一流プロは並みの体格をしていないと思った次第です。

ゴルフ人気2
さて、そこでタイ政府が始めたのが「監獄にいるような隔離検疫の中、ゴルフをやって面白い?」で紹介したゴルフ検疫というものです。さすがに私はそれほどのゴルフアディクトではないので、ここまでしてゴルフをしに来る連中などいないだろうと否定的に見ていました。

今のところ、日本のグループツアーがきたとは聞いていません。しかし、このゴルフ場で2週間の隔離検疫を過ごすというプログラムに、韓国人ゴルフツアーの第1陣、41名が先月18日に到着したそうです。しかも彼らは、2週間の検疫が終わったら今度はチェンマイに飛んで、そこでもまたゴルフ三昧で過ごすということです。

私などはゴルフは週に2回もやったらもう十分だと思う方ですが、
そこまで毎日毎日ゴルフをしたいというのは相当なゴルフ好きであり、韓国は国を挙げてのゴルフブームというのも納得できてしまいます。

ゴルフ人気4
そこで私が思ったのは、
極端に暑いタイの夏が終わり、気温も下がって雨季が始まる5月下旬頃には、タイ国内でのワクチン接種も広がってくるだろうし、現在タイ政府が検討中のワクチンパスポートなるものがもし認められれば、飛行機でわずか5時間ほどでやって来られて名門コースも多いタイのゴルフ場は、今の日韓ゴルフブームの恩恵を最大限受けられると思うのです。

今のところ、キャディさんなどは基本的にゴルファーからもらえる300バーツのチップが主な収入源なのに、丸1日ゴルフ場に待機していても全く仕事がない日もあり苦労しているようです。そんな中、この日韓ゴルフブームがタイゴルフ業界起死回生の起爆剤になればいいと思います。



3月2日に飛ばなかったタイ航空、次のD-デイは5月12日

タイ航空最終リストラ案1

先月、「3月2日、タイ航空はいよいよ“飛ぶ”のか?」と題して3月2日が会社更生計画の提出期限であることを書きました。

タイ航空はこれまで時間稼ぎをするかのように提出期限を2回延期してきたものの、これ以上は待ったなしというところでやっと同日、抜本的な再建案が破産裁判所に提出されました。

この再建プランによると、事業規模の縮小として以前は83あった航空路線を2025年までに75から80路線に減らし、使用する機種も12から5機種に減らし機体数も86機に減らす。また、かつては29,000人いた従業員を既に21,000人に減らしたが、今度さらに6,000~7,000人減らし、最終的に従業員を14,000から15,000人へと削減してオペレーティングコストを35%削減する。その結果、営業利益での黒字化を達成するというものです。

これを見るとかなりの部分が、1年前に外国人アナリストたちが指摘してきた次の問題点の多くが焦点になっていることがわかります。要するに、放漫経営、強すぎる労働組合、使用機種の取捨選択と削減、不採算路線の切り捨てといった問題点の改善が、今回の再生プランでも取り入れられています。

タイ航空の問題点

a. 多くの問題があるが、特にマネジメントが貧弱であり、かつ経営構造に問題がある。その結果、利益率が低く借金過多にもなっている。(政治家や官僚の利権に基づく介入や労働組合の無理な要求のこと)

b.過去の決算書を見ると、2011年から2019年にかけて、売上はほとんど増えていない。それにも関わらず、販売管理費ばかりが2倍以上に膨らんでいて、売上高に対する比率も3.4%から7.5%に倍増と、経営効率が悪くなっている。

c.たびかさなる赤字で、2011年に627億バーツあった自己資本も、2019年にはわずか117億バーツへと減少。その結果、負債自己資本倍率は2018年時点で12.2にまで高まっている。

d.管理体制が問題で、何を決定するにも政府の承認を取る必要があり、決断が遅すぎる。しかも、労働組合が強すぎて、細かい変更についてもああだこうだと足を引っ張るため、今の航空業界で勝ち残っていく機動力がない。

e.技術的な遅れ。12機種もの航空機を持っている反面、それをちゃんと整備する技術がない。また、A380といった新型機種を導入しても、整備する技術力がないので、A320やA340といった古い機種をいつまでも使っている。これでは、より安全な機種が選ばれる今の顧客ニーズを満たせない。例えば、シンガポール航空の平均機体年齢が7年7カ月に対し、タイ航空のそれは10年である。世界のエアラインとの厳しい競争を勝ち残るには、技術力の向上、新型機の導入が必要である。

f.タイ政府がタイ航空の経営に口を出し過ぎであり、タイ航空は完全な民間企業になるべきである。

g.子会社のLCC、タイスマイルとの住み分けができてない。

h.タイ航空はヨーロッパ直行便ルートが多すぎるので、減らすべきである。また、北米への直行便は持たない方がいい。

ただし、この再建プラン実現のためには500億バーツ(1,800億円)もの追加資金が必要で、特にそのうちの300億バーツ(1,000億円)は6月中に必要というものです。

そしてこれは、これまでに未払いとなっているオペレーティングコストや退職した従業員に支払う退職金等の給与支払いに使われるということで、これからの会社再建のためというよりも、どちらかというと後ろ向きの資金です。


一方、早速タイ航空労働組合はこの再建案に反発しているという次のような記事も出ていて、結局会社が飛んだらすべてお終いだという危機感がどうも薄いような気もします。

As Thai Airways tries to sell new contracts and conditions to its remaining workforce, the labour union of the national carrier is challenging changes to the employment contracts, where Thai Airways employees are being asked to agree to changes as part of the bigger financial rehabilitation program.

会社再生計画の一環として、タイ航空側が従業員に対し雇用契約の条件変更を要求したところ、労働組合側は受け入れなかった

But a union representative says the new contracts are unfair because it includes fewer leave days and shorter holidays. The union has filed a complaint with the Department of Labour Protection and Welfare.

そして組合側は、この雇用条件の変更は有給休暇や休みが減らされていてアンフェアなものであるとして、労働保護福祉局に訴えたのである

所詮私は内部関係者ではないし、こういうマスコミの情報をもとに書くしかないのですが、これらを読む限り、相変わらずタイ航空の根本的な問題の一つである「親方タイ政府」時代の労働組合気質が健在なようです。

タイ航空最終リストラ案2
そこで思うのは、一体誰がこんな債務超過、すなわち会計上の株価がマイナスとなっている沈没目前の船に1,800億円もの回収不能となる可能性が高い追い銭を出すのかということです。

また、もともとタイ航空の51%の株主が国だったわけで、その出資金がゼロになったということは、国民の税金が無になったということでもあります。

コロナの影響などなかった2019年には史上最高の4,000万人もの外国人観光客がタイにやってきたというのに、それでもタイ航空は大赤字だったわけであり、当時
経営に携わっていた現政府にも非があることについては明らかで、さすがに言い逃れはできないと思います。

一方、タクシン首相の時はタイ航空は最高益をたたき出していたわけで、タクシン氏のやり方がいい悪いは別にして、やはり彼のような経営者としての資質がある人が再建の舵取りをしないと、債権者も納得しないのかもしれません。

さらに、タイ航空はこの再建案で債権者に対しても3年間の支払猶予を要求していますが、もしこの資金手当ての目途が立たなければ、当然
5月12日の債権者集会で彼らの承認を取るのも難しいだろうと思います。

つまり、タイ航空にとって次のD-デイはあと2か月後にやってくるということです。


さらば、憧れのタイ年金生活ロングステイ

アクセスランキング
昨日掲載されたアゴラの記事が、目新しいトピックということもあったのか、携帯専用のスマートニュースでもピックアップされ、ありがたいことに日本でのアクセスランキングも上がってきました。

現在、コロナの影響でタイはほぼ鎖国状態が続いていますが、日本人の間でもまだまだタイに興味のある人は多いということなのかもしれません。

アゴラ掲載記事

先日4回にわたって書いたタイでの年金生活ロングステイの実情について、随分反響があったので、日本の言論サイト「
アゴラ」でも、題名を「さらば、憧れのタイ年金生活ロングステイ」として、簡潔にまとめたものを掲載してもらいました。

コロナ危機による隔離検疫もあり、今のところは海外でのロングステイなど考えられないかもしれません。しかし、ようやくワクチン接種も始まり、コロナ禍はこれから落ち着いてきます。

そこでこれから定年退職を迎える人や、タイに限らず海外でのロングステイライフを考えている人にとっても参考になるかもしれません。

ちょうど今朝の6時に載ったので、是非読んでみてください。



お酒好きにはたまらないイサーン(東北地方)料理(その2)

激旨タイ食堂
ところで、ちょっとローカルな話になります。タイ料理に関する人気情報サイト「激旨!タイ食堂」の作者、そしてタイ料理のYouTuberとしても人気の西尾康晴さんとは5、6年前から面識があったのですが、今月久しぶりに会ってラーマ3にある、これまた日本人にはまだほとんど知られてない人気レストランで一杯やることになりました。

ちなみに、彼は私と同じく2011年に、雑誌の編集長としてバンコクにやってきたのですが、いつの間にか独立し、今はタイ料理の専門家として隠れた穴場レストランを紹介したりしています。


一方、私は「バンコク コンドミニアム物語」で不動産ブログを5年も書き続けているので、本来はこてこての不動産投資関係なのですが、どういうわけか多くの食品業界の日本人駐在員や現地企業の経営者と仲良くなる機会に恵まれました。これも食とお酒は切っても切り離せない関係ということで、お酒を介してつながったと思っています。

さてそこで、やっと先週からバンコクでもレストランでお酒が飲めるようになったので、この知人たちと久しぶりに一杯やろうということになりました。さすが食品業界だけあって、西尾さんのファンで動画を見ているという人たちもいたので「西尾さんなら知ってるから、今度誘ってみようか」ということで、今回実現した次第です。

ところで、この西尾さんの動画の面白いのは、その辺のどこにでもありそうな店の中から隠れた名店を見つけ出してきて、それをカメラの前でムシャムシャ食べながら自己流のコメントで紹介するところです。

前々回「年金生活者にとってタイはもう楽園ではありません」でも書きましたが、タイの富裕層並みの贅沢な生活はもうできなくても、こういう隠れた名店探しなどは、日本の年金生活者がタイでの生活を楽しむ一つの方法なのかもしれません。もっとも、言葉がある程度できて、しかもタイ語で書いてあるメニューも読めないとなかなか大変ですが...。

西尾康晴氏
さて、彼の動画の中では、ビールを飲みながらタイ料理を食べるシーンがよく出てくるし、場合によっては一人で酔っぱらっていたりもします。これは私の勝手な推測ですが、彼も案外内心はタイ料理のうまいまずいをお酒に合うかどうかで決めていたりするのかもしれません。

もしそうであれば、私と同じでまずお酒が主人公で、料理はセカンドだと思っているのかもしれません。そして、料理を語る上で、これも一つの評価の仕方だと、お酒好きな私は勝手に思っています。


お酒好きにはたまらないイサーン(東北地方)料理(その1)

イサーン料理
私はどちらかというと、あまり食べ物にこだわる方ではありません。若いころは人より速く腹いっぱい食べて、5分程度ではいごちそうさん、という方でした。もっとも、さすがに今はビュッフェ形式の食べ放題などというのはとても無理ですが... 。

これは、今では京都を代表する大企業である日本電産の会長、永守さんが昔書いていたことですが、早飯食いの男は胃腸が丈夫で体力があるそうで、会社がまだ小さかった頃は、新卒採用の面接試験の時に、学生に昼食の弁当を支給して速く食べ終えた者から採用していたそうです。

永守さんらしい随分斬新な発想です。もっとも、私は特別胃腸が丈夫ということはなく、ただの早飯食いだっただけなのですが...。しかし、食事に対してもいろんな意見や見方があるということだと思います。

いちいち食べるものにああだこうだと講釈をたれて、人生には限られた数しか食事の回数はないのだから毎度の食事を大切にするんだという人がいます。確かにそんな考え方もできますが、少なくとも私はそういうのはどうでもいいと考える方です。

急ぐときや他に何かしたいことがあれば、食事はハンバーガーや牛丼でさっさと済ませるし、面倒なときは平気で飛ばします。だからダイエットも簡単にできるのですが、ポンポコたぬき腹をしてグルメぶって能書きばかりいっている人よりよほどいいと思います。

そもそも、食事というのは空腹なら大抵のものはおいしいし、そうでなければ、どんな旨い料理を持ってこられても大しておいくないと考える方です。

だから、このブログでもこれまでどこのレストランがおいしいとか、どんな料理がうまいとかグルメ情報的なことは一度も書いたことがないし、タイの有名なレストランなどに行くと何となく落ち着きません。

ところで、タイ料理とロシア料理は世界でも冠たるB級グルメ料理らしいのですが、
実際、タイ料理はぶっかけ飯とか盛り付けが無造作で、少なくとも見た目ではあまり食欲をそそられないという意味では、やはりB級グルメ料理なのかもと思います。だからといってタイ料理をバカにしているわけではなく、うまい料理はたくさんあり、むしろ私は日本料理よりも好きです。

ただ、私の場合、それよりもまずお酒が大好きです。夜の飲み会でタイレストランに行っても、お酒に合わないタイ料理はあまり食べません。
トムヤムグンとかプーパッポンカレーなどは有名なタイ料理ですが、私は個人的に自分のお酒には合わないと思っているのでほとんど食べません。

その代わり、家にはビールやウイスキーといった定番だけでなく、ジン、ウォッカ、バーボン、日本酒、芋と蕎麦焼酎、ダークとホワイトのラム酒、紹興酒、そして梅酒といろんなお酒が置いてあります。そして、気が向くとタイのライムをたくさん買ってきて、チャンドラーの「長いお別れ」で有名になったギムレットを自己流で作ってみたりします。

また、ロンドンに居た頃はイングリッシュ・シングルモルトウイスキークラブという会のメンバーにもなっていて、いろんなスコットランドのディスティラリーから、樽から出したまま一切薄めてない原酒を、毎月2本ずつ送ってきてもらうのを心待ちにしていました。

結局、何のことはない、要はグルメの人が料理の能書きをたれるのと同じで、私もここでお酒の能書きをたれているわけですが...。

従って、同じタイ料理でもお酒に合う合わないというのは、私にとっては重要です。そこでいつも私が思っているのが、タイ料理の中でも特にイサーン(東北地方)料理というのはお酒に合うものが多いということです。

ちなみに、私はアソークに出かけていく用がある時は、いつもターミナル21の5階フードコート入口わきにある店でラープムーとナムトックコームーヤーンをアウグラバーンといって持ち帰りで買います。2つで100バーツもせず、庶民的でお酒とよく合うイサーン料理です。

これらはタイビールの中では一番シブと苦みのあるチャーンビールと特に合うので、大体いつもこれを買って帰った日の夕方は、自宅でチャーンビールを飲みながらほろ酔い気分になっています。


イサーン料理の居酒屋

さて、先週からやっとレストランでのアルコールが解禁になり、以前「年明け早々、迫りくるフルロックダウン」で紹介したイサーン料理兼居酒屋も営業再開したころだと思います。従って、オーナーであるナンさんからそろそろまた飲みに来てくれとのメッセージが入りそうです。

そういう時はいつものように、地元のタイ人客たちが来る前に早目に行き、美人オーナーのママさんと差し迎えで一杯やるのですが、今から楽しみです。

次回に続く






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