ラチャヨーティンへの延線中止
「6月3日イエローライン開通、サムローンとオンヌットに注目!」で書いた新線イエローラインですが、昨日のターンセータギットによると、乗客が当初計画より少ないためにラートプラウからラチャヨーティンまでの延線計画は中止となったということです。
当初見込んでいた1日当たりの乗客数7万人に対し実際には4万人しか利用者がなく、さらに週末にはわずか28,000人しかおらず、これでは延線したところで採算が取れそうもないことから、民間部門の投資家はどこも出資に興味を示さなかったということで、断念に至ったようです。
もっとも、先日、チャチェンサオにドライブに行った帰り、シーナガリン通りを通ったのですが、イエローラインの工事が終わったことで道路がスイスイと流れているのに驚き、これからはグルンテープクリタやユニコグランデのゴルフ場が行きやすくなったと思った次第です。
開通後の不人気はパープルラインと同じ
ところで、2016年に開通したパープルラインもそうですが、開通後数年は人気がなく、新規の住宅需要を当て込んだデベロッパー達が大量のコンドミニアムを開発したものの、さっぱり売れず在庫処分に大幅値引きしていたのを覚えています。
これは私の最初の著書、「バンコク不動産投資・基礎編」でも書いたことですが、実は私も久しぶりの新線開通で注目されていたパープルラインの将来性に期待し、2012年にこの沿線でプリセールで2ベッドルームを2ユニット購入したのです。金額にして合計900万バーツ位だったと思います。
しかし、その後も沿線で各デベロッパーから続々と新規プロジェクトが売り出され、これでは相当な供給過剰になると判断した結果、それまで払っていたダウンペイメントの総額60万バーツ(240万円)をなくなく捨ててでもキャンセルしたのですが、今となっては正解だったと思います。
退場したら投資は終わり
さて、こんな調子で私の初めてのプレビルド投資は失敗に終わったわけですが、ただ、私も海外在住が長かったこともあり、ハワイのコンドやシアトルのアパート、ロンドンのフラット等、海外不動産投資で3億円の資産形成ができたので53歳の時にアーリーリタイアしたのであり、不動産投資の怖さと醍醐味は知っているつもりです。
株式投資も同じですが、経験を積んでくると不動産投資も一度の失敗に懲りて退場したりしないようになります。
従って、その後も私はバンコクで6物件に投資した結果、今の自宅を除き2019年までに5物件を売却しすべて利益を出せたのですが、今思えばあの時の失敗がいい経験と勉強になったと思っています。
イエローラインの将来性
さて、次に不動産投資先として見た場合、イエローライン沿線は将来有望なのかという点ですが、私はあまり期待していません。
以前にも書いたように不人気な東京の武蔵野線を思い浮かべればわかると思いますが、直接CBDにつながらない路線は結局乗り換えが必要であり、グリーンラインやブルーラインとは便利さが違います。(もっとも、武蔵野線は一応東京駅の端っこには行きますが…。)
従って、「イエローライン、沿線地価から読むポテンシャル」でも書いたように、今は沿線全体の地価が上昇しているようですが、そのうち止まるように思います。
投資先として見るのであれば、ジャンクションであるサムローン駅とオンヌット通りにぶつかるシーヌット駅はまだ面白いかもしれませんが、それ以外はどうしてもここに住みたいというのでなければやめておいた方がよさそうです。
ちなみに、昨日、AREAがいうところの買ってはいけないロケーションについて書きましたが、買ってはいけないとまではいわなくても、大して値上がりしないエリアもやはり不動産投資としては失敗です。
特に建物の経年劣化が速いタイでは、地価が平均以上に上昇しないところでは劣化に追い付けず利益が出せないことを考えると、他とは一味違うタムレ・トーング(黄金のロケーション)を選ぶ必要があると思うのです。