バンコク コンドミニアム物語

バンコクの不動産投資に関する情報発信

バンコクの不動産投資について、今起こっていること、これから起こること、そして投資のリスクや実践方法等、筆者自身も自己資金を使って投資しながら、その試行錯誤の中で得た経験を基に投資家目線で情報発信していきます。

為替動向

7年ぶり安値となったタイバーツ、8月に利上げが始まる?

為替2

バーツは7年ぶり安値、でも円は20数年ぶり安値

先週、タイバーツが米ドルに対しとうとう7年ぶりの安値になったということで、現地の新聞は大きく扱っています。しかし、今のバーツ安は燃料費や物価高騰をもたらし国民の負担が大きい反面、コロナ禍で疲弊しきった観光産業の復興にとってプラスであり、また、輸出産業にとっても追い風なので、必ずしも悪いことだけとは受け止められていません。

しかし、タイ中央銀行は以前からこれは米ドルの独歩高であり、タイ経済に原因があるわけではないからとマーケットに任せるスタンスだったものの、最近はインフレが顕著となりつつあることから、8月には利上げに動くというのが大方のアナリストの予想です。

“Supporting factors for a stronger baht will be growing numbers of foreign tourists which could exceed our initial estimate of 6.4 million, easing supply disruption, more demands for Thai assets, especially equities from foreign investors to bet on the reopening theme, and finally a weakened US dollar,” 

グルンタイバンク

また、上のグルンタイ銀行コメントのように、タイ開国に伴って予想以上に増加している外国人観光客数、サプライチェーン問題の解消、タイ資産への需要増、特に外国人投資家の株式市場への回帰により、今年下半期にはタイバーツは自力でドル安バーツ高へとシフトすると予測しているところもあります。

一方、昨日、日本円はいよいよ1ドル137円台に乗ってきましたが、この円安は20数年ぶりということでありながら、今も日銀は利上げしないと明言しているし、タイバーツと違ってアナリストは誰も利上げが始まると予想してもおらず、これではさらに円安バーツ高が続くと思います。

世界の日本買いが始まる

さらに、マーケットではFRBが前回の75ベーシスどころか、次は100ベーシスもの利上げをするかもしれないという観測が出てくる中、しばらくドル高円安も止まらないと考えた方がよさそうで、一部では1ドルが150円まで行くという説も出ていて、底なし沼状態です。

これは日本全体がバーゲンセールということでもあり、外国人観光客だけでなく、外国人投資家の間でも日本の資産買いに投資妙味が出てきます。

従って、もし私がタイ人富裕層の投資家であったら、多分、日本買いに興味を持つと思います。とはいえ、日本の不動産を買おうとは思いません。すでにマンション価格がバブルのピークを越えてきた中、首都圏のマンション成約件数が今年に入って昨年度比でマイナスになってきているということでもあり、あまり深追いすると天井掴みしてしまう可能性があるからです。

一方、日本株は日経平均がまだ27,000円前後を低迷している状態で割安感があります。これから数年間の中期投資として考えると、株価の値上りだけでなく、為替でも円安バーツ高のメリットを使えるので、投資リスクは低いように思えます。

従って、タイバーツが4円を超えてきたあたりから少しずつ円資産に投資しておけば、中期的に失敗の可能性は低いと思っているので、私もタイで持っているバーツを使って、ミューチュアルファンドで為替ヘッジのない日本株のETFに投資しようと考えているところです。

不動産投資は来年までお休み

一方、バンコクの不動産投資はまだ時期尚早と考えています。やっと底は打ったようですが、200万バーツ以下の一次取得層向けが主に売れていて、こういうのは投資には向かないからです。

しかも、GDPで12%ものシェアを持つ不動産業界の窮状を救うために、裕福な外国人投資家を呼びたがっているタイ政府は、昨日、外国人に1ライ(1,600㎡)までの土地購入なら許可するという方向で審議入りが決まりました。

これは審議の結果次第ですが、もしかしたら、土地への投資も可能になるかもしれず、そうなれば大きくチャンスが広がるので、焦らずじっくり見ていくつもりです。

10年来の最安値まで下落した日本円はそろそろ買い!

Investment6

日銀が政策変更しない限り円安は止まらない

今朝のバーツ・円の交換レートは、1バーツが2.4円の円高となった10年前以来の最安値になりました。このグラフからもわかるように、今は1バーツが3.69円と日本人にしてみればかなり厳しいバーツ高が進んでいます。

ธนาคารเพื่อการลงทุนของเดนมาร์ก มองว่า ตราบใดที่อัตราผลตอบแทนทั่วโลกยังคงเพิ่มขึ้นอย่างต่อเนื่อง และธนาคารกลางญี่ปุ่นให้คำมั่นว่าจะสนับสนุนตลาดตราสารหนี้อย่างไม่จำกัด ความกดดันให้ค่าเงินเยนอ่อนค่าจะยังคงดำเนินต่อไป

デンマークの投資銀行は、世界の金利が上昇する中で日銀が国債利回りの上限維持策を続ける限り、円安は止まらないと予想する。

プラチャーチャート・トゥーラギット

しかも、今の円安は日銀の黒田総裁のマネタリーポリシーが続く限り、まだ止まらないということであり、以前にも書いた通り、この原因は主に日本円にあるのです。

アメリカ並のインフレがタイにもやってくる

さて、タイの3月のインフレ指数が出たところですが、前年同月比で5.73%の上昇と、日本のようにインフレなのかデフレなのかよくわからないような緩慢な状況とは明らかに違ってきています。

従って、タイに住む私のようなロングステイヤーにとっては、円安とインフレのダブルパンチで物価高になり、踏んだり蹴ったりの状況が続いているわけです。

ただし、タイムラグはあるものの、こうなると結局はインフレヘッジ力のある株式や不動産が値上りを始めます。従って、つい先日も「底値が見えてきたバンコクコンドミニアム市場」と題していよいよタイの不動産市場は底を打ちつつあると書いたところです。

しかし、バーツ高が進んでいない欧米人にとっては確かに買いのチャンスなのですが、日本人にとっては今の円安水準では将来の為替差損が怖くて不動産投資など手が出ません。

タイに資金を持つ人にとってはチャンス

ところで、これまで私はタイで不動産投資をしてきたのですが、投資の度に毎回日本からタイに日本円で送金してタイバーツに換えてきたので、まだ外貨であるタイバーツや米ドルを持っています(注:タイで不動産を購入するには、海外から外貨送金して全額現金で買うことが定められている)。

また、私だけでなく、タイの長期滞在者でも自宅を買ったり、余分な資金を株式や債券、ミューチャルファンドなどに投資している人は私の周りにも結構いるのですが、こういう人たちにとってはチャンスが来ているのではないかと思います。

つまり、あと数年以内には、さすがにこの10年で最低値まで下落した日本円も少しは円高に反転してくると思うのです。

そこでたとえば、手持ちのタイバーツで国内の金融機関で売られているミューチャルファンドで為替ヘッジなしの日経平均ETFでも買って持っていれば、日本の株価はまだ割安感があるし、かつ今の円安が将来円高にスイングバックした際に、うまくいけば株式売却益と為替差益のダブル利益が、しかも無税で受け取れることになります。

また、既にタイで不動産を持つ人にとっては、損切りをして処分しても今のバーツ高が痛みをミティゲートしてくれるので、アップサイドもなく値上りしそうもない物件を持つ人にとっては、「出口」のチャンスでもあります。

オミクロン・イフェクト、タイバーツが一夜で暴落

Omicron2

世界中の株式市場と為替相場に影響

タイに住む日本人、もしくはタイに来ようと思っている人にとって最も関心のあるのが、タイバーツと円の為替相場ですが、これが昨日時点でのグラフです。

南アフリカで発生した極めて感染力が強いといわれる変異種オミクロン株により、金曜日に世界中の株式市場が暴落しました。

同時に為替市場も避難通貨である円が買われる一方、観光依存国のタイバーツが売られるという展開になった結果、下の円高ドル安、そしてドル高バーツ安のダブル効果により、結局円に対してタイバーツは3.4551から3.3541へと一夜にして叩き売られたわけです。

ところで、タイバーツは10月の時点でプラユット首相が11月1日から隔離検疫なしの開国をすると宣言してからしばらくは、観光産業復興への期待感もあってそれまでのドル高バーツ安の流れが転換し、バーツ高傾向が続いていました。

しかし、いざ蓋を開けてみると、アルコール禁止だ、ナイトライフも閉鎖だ、そして入国初日はASQホテルで1泊し検疫が必要、といった規制が残ったこともあり、結局期待したほどには外国人観光客が増えず、26日時点での外国人観光客はわずか11万人という報道も出ています。

そんなわけで、11月中旬からは失望感でまたバーツ安が始まったのがこのグラフからもわかりますが、そこにオミクロン株でバーツ安に一挙に勢いがついたというところです。

現在はまだパニック状態

昨日、タイ政府も直ちに8か国からの入国禁止命令を出しましたが、今後、世界で感染が広がるにつれて間違いなく入国禁止対象国が増えてくるはずです。そして、これは日本もまた同じで、やっと感染が落ち着いてきた今、オミクロン株の感染者が出た国からの入国規制を強化するのは当然で、今後入国禁止や2週間の隔離検疫が再び始まる可能性は高いと思います。

ただし、現時点では、オミクロン株はデルタ株よりも極めて感染力が強いことがわかっているものの、感染が広がっているのはワクチン接種率の低いアフリカでの話であり、オミクロン株に対してワクチンが通用するかどうかはまだわかっていません。

従って、ワクチン接種率の高いEUやアメリカで今後どのようなことが起こるかで、これからの世界株式市場や為替相場の方向性が決まってくることになります。

もし、今のワクチンがオミクロン株に感染しても重病化や死亡を防ぐ効果が十分あるということであれば、デルタ株とそう大差はないので早晩株式市場や為替相場も回復するでしょうが、ワクチンが効かないということになれば、さらに波乱は続くことになります。

もし、今のワクチンが通用しなければ…

私はこのブログでも昨年末からドルに資金を換えた方がいいと書いてきたし、自分自身もタイの不動産を売却した資金から、既に数千万円相当をドルに換え、カンボジアの銀行で定期預金しています。

そして、テーパリングからいよいよFRBの利上げも始まるという流れから、当初の予想通りドル高傾向が続き喜んでいたのですが、ここでオミクロン株発生という予想外のことが起こり、再検討が必要になってきました。

もし、オミクロン株がワクチンの効果をブレークスルーし、世界が再び混乱するような事態になれば、当然、アメリカの利上げも遠のくし、といって株式市場もまだまだ底は深いと思うし、当然、原油も暴落し今のインフレ懸念も吹き飛ぶと思います。

いずれにせよ、あと数週間もすれば、オミクロン株の実態がわかるといわれているので、全てはそこからです。

テーパリング決定で拍車がかかるドル高バーツ安

USDTHB1

やはり年初が底だった米ドル

やがてタイバーツのスイングバックが始まる?」と題して2回にわたり、タイバーツを売って米ドルにシフトする方がいいと考えていると書いたのが今年の1月ですが、既にその時点で不動産を売った手持ち資金の約半分を米ドルに換えていました。

そして、その後も1ドル=31.5バーツになるまで小出しで米ドルにシフトし続けた結果、現時点では資金の約7割が米ドルになっています。もちろん、それを使って為替ヘッジのない米国株に投資したり、5.25%の金利が付くカンボジアのドル定期で運用しているので、単に為替差益を狙って全てを現金で置いていたわけではありませんが。

その後、タイのワクチン不足が解消する見通しが付いたところで、「タイバーツ叩き売りの流れが変わった!」と題してバーツが反発し始めたことに触れましたが、それでも最後は「タイバーツ資産を持つことは大きなリスク!」で書いたように、向こう3年ぐらいの中期で見ると、やはりタイバーツ資産を持つことは危ないと考えています」と締めくくったように、今の経済状況ではタイバーツはまだまだ戻ってこないと考えています。

テーパリング開始と来年からの利上げ方針でドルはさらに上値を試す

先日のFRBのアナウンスで、いよいよテーパリングが間近に迫り、しかも予想外に早く来年半ばには利上げが始まる可能性が出てきたことから、今、金融株が高騰を始めています。

この状況下、通貨に関しても少なくとも今年いっぱいは米ドル高バーツ安が続くと考えているので、もう少し米ドルを仕込もうと私は考えています。つまり、しばらくはタイバーツなんかできるだけ持たない方がいいと考えているわけです。

今の米国のインフレと金利上昇は景気回復を伴っている以上、特に問題はないように思えます。一方、タイ経済はまだそんな状況になく、とにかく一刻も早くワクチン接種率を上げて開国して見てなんぼ、という状況であり、ドルとバーツの先の見通しには雲泥の差があるように思えます。

そうなると、このチャートでもわかるように、米ドルの10年来の高値は1ドル=36バーツだったわけですが、テーパリングと利上げでドル高がますます進み、もしかすると今回はこの36バーツを超えてくる可能性もあると思っています。

ただし、逆にこれだけ疲弊したタイ経済が、観光産業を含めコロナ前の勢いを取り戻せば、今度はタイバーツの大きなリバウンドが起こる可能性もあります。つまり、2017年初めから2019年末にかけて起こったような、ASEAN全通貨の中でのタイバーツ独歩高が再び始まり、そこで儲けるチャンスも大きいのです。

従って、現状では36バーツあたりでそろそろドルを売って、つまり米国株やドルの定期預金を解約してタイバーツにシフトバックするというラフなプランでいいのではないかと考えています。

日本円・バーツは?

ちなみに、日本円ですが、私はあまり日本円には興味がないのですが、これからタイバーツに対して日本円が勢いよく上がるとすれば、今回の総裁選の結果次第かもしれないと思います。

タイ経済よりは日本経済の方が健全で回復も速いこともあり、緩やかな円高バーツ安もしばらく続くとは思うのですが、やはり、ドル・バーツほどの動きはないように思います。従って、2016年の1円=0.34バーツまではちょっと難しいのではないかと思います。

タイバーツ(資産)を持つことは大きなリスク!

バーツレート1

バーツ叩き売り進行中

つい数日前に「日本人リタイアリーはバーツ叩き売りとペイオフ減額に備えろ」でドル・バーツが1ドル=33バーツの節目にきたことで、これからどうなりそうか自分の考えについてちょっと触れたのですが、あれからわずか5日で、今朝はもう33.47とさらにバーツ安が進んでいます。

これはアメリカの雇用統計がよかったことで、バーツだけが売られたというより、全通貨に対して米ドルが買われたことが原因です。しかし、下のドル・円との日足を比較すると、バーツの方が激しく売られていることがわかると思います。

連日のように行われる首相辞任を求めてのデモや、1日に2万人にも及ぶ感染者数、延長されるロックダウン、大打撃を受けたままの観光産業と下がる一方のGDP。こうなると、1か月か2ヵ月で36バーツの壁をも簡単に突破していくのではないかと思うようになりました。

4月の感染爆発以降、世界のワースト国家となったタイ

米ドルに対する4月以降のタイバーツと日本円のパフォーマンスを比較すると、私のような素人でもタイバーツがなぜ叩き売られているのかがわかります。

タイで4月に始まった感染第3波と一向に進まない国民へのワクチン接種、それに伴い始まった急激な感染拡大でタイ経済の不透明感がさらに増した結果、6月中旬以降、世界の投資家から見捨てられて一本調子でバーツが叩き売られているのがわかります。

一方、日本円はといえば、ワクチン接種率もそれなりに進み、感染拡大は続くもののタイほど極端に経済的なダメージを受けてないことから、1ドル=111.50円を天井に反転が起こっています。

もしかすると今回のドル高タイバーツ安は青天井へ突入?

このブログでも何回か書いていますが、ここ数か月間は土地勘や道路を覚えるという意味で、よくバンコクのビジネス街やパリモントンと呼ばれる近郊エリアをあちこちドライブして回っているのですが、バンコク中心部のオフィスや店舗が閉鎖されているのはわかります。

しかし、彼らの多くは自宅で仕事をしていたり、仕事は休んでいても給料はもらい続けている人も多く、どうも経済的困難の実感が伝わってきません。

それに対し、郊外の住宅地や農村部、タイ人だけが訪れるような地元の観光地を回っていくと、やはりほとんどすべての店が閉まっていて、風が通り抜けるバンクンティアンの水上オープンレストランまでが閉鎖されていることに気が付きます。

そういうのを目の当たりにすると、こういうビジネスで生計を立てている中低所得層の庶民はそれこそ収入が途絶えて生活が困窮しているに違いないとわかるし、今のロックダウンでタイ経済が受けているダメージは相当なものだと実感するのです。

怖いスタグフレーションがやってくる

急激なタイバーツ安によって、そのうち国内ではもっと大きなインフレが始まります。こうなると、現金を持っていても目減りしていく一方なので、我々個人も本来はインフレヘッジ能力のある株や不動産に資金をシフトするべきなのですが、アメリカと違って株式市場は低迷しているし、今の新築完成在庫だらけのタイ不動産市場に強いヘッジ能力があるとも思えません。

また、タイ人労働者の9割が減収になったという統計も出ている中、インフレが進む中での景気低迷による収入減が進行しています。つまり、タイ経済は恐ろしいスタグフレーションに突入する可能性が高いということです。

こうなると、タイバーツをある程度持っている人は資金をどこかにシフトして逃がしてやる必要があります。同じ現金ならやはり米ドルなのですが、既に1ドル=33.47と2月から1割以上ドル高になっているし、特に私の場合は今さらという気もします。

ちなみに、2018年から2019年にかけてバンコクの投資用不動産を全部「出口」処分した結果、ある程度まとまった現金を持っていたのですが、当時のタイバーツはまだ独歩高が続いていたので定期預金にしていました。その後、パンデミックが始まり、昨年末あたりでバーツ高も終わりと判断して少しづつ米ドルに交換してきたのですが、今思えばもっとドルにしておけばよかったと思っています。

リスクヘッジの対象は?

そんな状況の中、今、私が考えているのは金(ゴールド)がいいのではないかと思っています。金はそれなりにインフレヘッジ能力があるにもかかわらず、運よくまだ値上りしていません。将来値上りするかどうかは別にしても、少なくともタイバーツのように底なしで売られるリスクを考えると、タイだけでなく世界に通用する資産である金に避難するのはありだと思っています。

そしてもう一つ、せっかくの底値買いのチャンスでタイのコンドミニアムを安値で拾うという手もあります。ただし、これは逆張り投資なので相当な価格メリットが必要です。

現在私が個人的に持っている投資クライテリアは、新築でも中古でも当初プリセール価格の2割安、です。もちろん、自分の眼鏡にかなった物件であることが前提条件で、安ければどれでもいいというわけではありません。

例えば、オンヌット駅前にある今の私の自宅は2012年にプリセールで11万バーツ/㎡で買い、2014年に竣工引渡しを受け、今年で築8年目です。人気の高い高層階角部屋の2ベッドルームを買ったので、2018年にロビーにオフィスを構える館内エージェントであるバンコクレジデンスに聞いたところ、実勢価格は15万バーツ/㎡~16万バーツ/㎡ということでした。

それが、パンデミックにより今の時価はほぼ買値に戻っています。つまり、プリセールから丸9年間でいってこいをしたわけです。ただし、もしこの部屋が今9万バーツ/㎡以下で買えるのであれば、私は喜んで買い増しするつもりです。15~16万バーツから9万バーツへダウンということは4割以上の値下りということになりますが、これが今の私の投資クライテリアになっています。

アメリカの監視強化でバーツ高はさらに続く?

バーツ高2

最近のタイバーツ高は留まることを知らず、このグラフからもわかるように、今朝の時点でとうとう1ドル30バーツを突破してしまいました。

1年のスパンで見ると、結局、今年初めとほぼ同じレベルまで戻ってきたことになりますが、タイバーツも今年はコロナに振り回されてきたということです。

2月からコロナの感染が世界に広がっていくにつれて、新興国から米国へのドル投資資金の回帰が始まった結果、急激なバーツ安が始まり、年初から4月までの4カ月で約1割ものドル高バーツ安が起こったことが、このグラフから手に取るようにわかります。

しかし、これも4月のピークを過ぎたころから、為替市場は次第に落ち着きを取り戻し始めました。そして、再びバーツ高が始まり、結局は1年かけて元に戻ってきたことになります。

そういう意味では、昨年の今頃にバーツを売って米ドルを買い、4月にまたバーツに戻せば、短期間で1割の為替差益がとれたことになりますが、当時、世界中がコロナパニックのようになっていた時に、そんな勇気のある人は少なかったろうと思います。

実際、私も3月の時点で手持ちの株や投資信託を全部処分して結構な損を出してしまいましたが、その後は精神的に随分気が楽になりました。一方、運よくバンコクの投資用不動産については昨年末までにすべて「出口」を迎えられたので、不動産投資への影響は回避することができました。コロナの発生など、誰も予期できなかったことですが、投資リスクというのは本当に読めないものです。

バーツ高1
さて、このままでは輸出産業がやられてしまうことから、タイ政府としてはここでバーツ高を何とか食い止めたいところですが、今朝のタイの新聞、ポストトゥデイの記事によると、アメリカが為替介入操作の可能性があり監視を強化するべき国としてリストアップした10か国の中に、タイが入っているということが書いてあります。

タイのほかには中国、日本、韓国、ドイツなども入っていて、これら10か国は、今後の状況次第では経済優遇措置の撤廃など、アメリカの経済制裁を受けるリスクがあり、下手に為替介入ができなくなっています。

また、ブルームバーグの報告によれば、アメリカが為替操作国とみなす3つの必要条件である1.貿易収支の黒字、2.経常収支の黒字、3.外貨準備高の増加、の中でタイは既に2つを満たしてしまっているとのことで、ここでバーツ高阻止の為替介入などすれば経済制裁を受ける可能性も高いわけです。

タイ政府にしてみれば、観光産業を筆頭に国内経済が大打撃をけている中、頼みの綱である輸出産業を助けるために何とかバーツ高を食い止めたいところですが、今は動きが取れないという状況です。

また、カシコン銀行リサーチはこれからもっとバーツ高は続くと予想していて、これでは輸出産業だけでなく不動産市場にとっても、外国人投資家がますます手を出せなくなるので、来年も厳しい状況になりそうです。


バーツ高3


ただ、このブログでも何度か書いてきていますが、今のタイバーツは実力以上に強すぎると私は個人的に思っています。それに、上の10年間のドルバーツの動きを見ても、今はバーツに対して米ドルがもっとも安く売られている水準にきていることから、カシコン銀行のいうように今後さらにドル安が続くとしても、これ以上そう大きくドル安バーツ高になる可能性は低いのではないかと考えているのですが...。

いずれにせよ、この調子では来年は多分、再び不動産投資を始めるタイミングはやってこないような気がしているというのもあり、タイバーツであれ、米ドルであれ、来年も虎の子の投資資金は現金で温存しておく方がいいように思います。



そろそろタイバーツは売りのタイミング?(その2)

ドルバーツ5

ところで、これは投資家のジム・ロジャースが日本人にこれまで何度もアドバイスしていることですが、「日本円資産だけでなく、もっと外貨資産を持つべき」というのには私も賛成です。

しかし、外貨資産とはいえ、今のタイバーツでいいのかといえば、私は基軸通貨である米ドルのような安心感はないと思います。特に今回のコロナによる景気悪化で、タイの2020年のGDPはタイ中央銀行で8%、カシコンリサーチなどは10%のマイナス成長になると予想している中、「タイのGDP収縮は世界でワースト3(その1)」で書いたように、これは世界でも最悪のレベルです。

従って、今のようなバーツ高というのは、そう長くは続かないのではないかと私個人は思っているし、一方で
アメリカ経済は次第に回復が見えてきつつあることもあり、今はタイバーツを売って米ドルへシフトするチャンスではないかと考えています。

また、私の場合、本来はバンコクでの不動産投資が主な収益源なのですが、「不動産投資、少なくとも今は「休むも相場なり」が一番」で書いたように、今回の不動産不況は相当深刻で、ほとんど先が読めない中、市場回復にまだかなりの時間がかかると思っています。

従って、タイで再投資することはしばらくないと考えているので、今はとにかく
将来のバンコク不動産の底値買いに備えて、昨年売却した投資物件の売却資金を米ドルに換えて海外で定期預金にして運用しています。

東南アジアの場合、それでも5%の預金利息が付くので、今のような不動産市場の潮目の変化がなかなか読めない投資家にとっては、バンコクで不動産投資をするよりも安全かもしれません。

ドルバーツ1

ところで、日足ベースでのドルバーツの動きを見ると、ここ半年ほどボックス圏に入っているように見えるのですが、10月10日にバーツが急騰し、米ドルが一気にボックス底値圏まで売られました。

私自身は、先に書いたようにそろそろドル高バーツ安が始まるのではないかと考えるようになっていたので、様子を見てもっとタイバーツから米ドルにシフトするつもりだったこともあり、すぐにオンラインで手持ち資金の一部を米ドルに換え、海外にある米ドル定期預金口座に追加で送金したところです。

ただし、為替相場はどんなトレーダーでもしょっちゅう予想が外れるし、不動産市場の先を読むよりもはるかに難しいので、案外、さらにバーツ高が進む可能性も大いにあります。

もっとも、外国人がタイで不動産を買うには「購入代金の全額を海外から外貨で送ってきた資金で支払わなければならない」というルールがあるため、私の場合は、将来の再投資に備えていずれにせよ一旦資金を海外へ移動しておく必要があるという裏事情もあって、米ドルに換えて運用しているのであり、無理して余計なリスクを取る必要のない年金生活者やリタイアメントビザでセカンドライフを過ごしている人にはお勧めしません。



そろそろタイバーツは売りのタイミング?(その1)

ドルバーツ3

つい先日も「中国人投資家が投げ捨てたキャンセル物件が続々と…」と題して外国人、特に中国人投資家による、バイジョーングと呼ばれるコンドミニアム購入予約権のキャンセルが積み上がってきていると書いたところですが、その理由は物件価値の値下りだけでなく、為替にもありそうです。

このグラフは昨日時点のものですが、中国人がタイの不動産を爆買いしていた2016年から2017年当時に比べて、今の人民元はタイバーツに対して1割から2割下落しています。

従って、今ここでデベロッパーから竣工引渡しを受けてしまう、つまり75%の残金を今の為替レートで一括支払いすると、物件の値下りだけでなく、
将来人民元高が始まれば大きな為替差損をも被ってしまう可能性があるわけです。つまり、物件価値が2割下がって為替差損も2割なら、単純計算で4割もの損になります。

これではなかなか損を取り戻すのは難しいだけでなく、まだ値下りが続く中、不動産市場の底が見えてない今は、ダウンペイメントを捨ててでも傷口がさらに広がるリスクを避けて、売買契約を解約した方がよいと考える中国人投資家は多いはずです。

特に最近の中国経済は、鉄鋼の国内需要が増えて輸出に回さなくなりつつあるという報告も出ているように、順調に回復が進んできているようで、今後は次第に人民元高になるのではないかと思います。

ドルバーツ4

一方、これは日本人投資家にとっても為替差損という意味では同じなのですが、ただし、日本円が無茶苦茶に高かったのは1万円を4,000バーツ以上で交換できた2012年初めまでです。

しかし、当時プレビルドで不動産を購入した人は、2015年前後に竣工引渡しを受けているので、今回の大量キャンセルには関係がありません。むしろ、クーデター後に始まった急激な価格高騰で、含み益が出ている可能性もあります。


今、引渡しに応じずキャンセルが続出しているのは、大半が2017年前後にプリセールで売り出されたプロジェクトです。従って、その頃にこういった物件を買った日本人投資家にとっては、当時の交換レートである0.31から0.34バーツから見れば、為替変動はほとんどゼロか最大でも1割程度であり、やはり不動産市場の下落が主なキャンセルの理由だろうと思います。

次回に続く




まだまだ続くタイバーツの独歩高?(その2)

観光収入1さて、カシコンが何故、2020年を通してバーツが強くなるといっているのかという点については、下に添付した英文の記事を読んで下さい。

私は為替のアナリストでもないので、彼らの予想についてああだこうだといえる立場にはありませんが、
さすが観光立国タイ。

世界4位、600億ドル以上もの観光収入と巨額の外貨準備金を持ち、その海外経常収支が注目されて、世界の投資家からヘイブンカレンシー(避難通貨)として今年も買われ続けるということのようです。


もっとも、為替の予想は大体外れるので、カシコン銀行であってもその予測が的中するのかどうかはわかりませんが…。

ドルバーツただ、年末にはドルバーツは30バーツを割り込み、29.25バーツまで高くなるという彼らの予想が正しければ、不動産市場に外国人投資家が戻ってくる可能性も低いということです。

今回の著書や「2年分以上の販売在庫を抱えたデベロッパー」でも書いたように、タイ人の投資需要が中央銀行によって締め出された結果、今後バンコクのコンドミニアム市場が復活するには外国人投資家が不可欠だと、私は思っています。

そうなると、もしカシコン銀行の予想が正しければ、バンコクの不動産市場もまだまだ低迷が続くということだろうと思うのです。

最近は、このブログでもネガティブな話が多いのですが、私もできるだけ客観的に考えているつもりです。この状況下で、新規で売り出されたプレビルドが買いだ、などという人がいるとすれば、販売在庫の処分に奔走するデベロッパーのセールスか、コミッション目当ての仲介業者ぐらいなのではないかと思います。

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KBank: Baht to rise throughout 2020

Economic imbalance spurs relentless climb

The baht's strength is expected to continue throughout this year, buoyed by Thailand's increased surpluses in current account and trade balance coupled with flat growth in imports, says Kasikornbank (KBank).

The local currency's value is forecast to hover around 29.75 against the US dollar in the first half before appreciating to 29.25 by the end of the year, said Kobsidthi Silpachai, KBank's head of capital markets research.


On Dec 30, the baht touched a six-year high of 29.90 per dollar before depreciating into the 30s in 2020. Anaemic trade volume as the holidays approached allowed some investors to easily manipulate the baht, while the country's economic fundamentals also contributed to the previous gain.


The baht was Asia's best-performing currency last year, rising by more than 7%, according to Reuters.

Despite subdued economic growth, the baht gained from the country's massive current account surplus, inflows of tourism revenue and near-record foreign reserves.

KBank: Baht can go higher

Rate cut will not slow baht appreciation

KBank predicts baht climb against dollar

Ample foreign reserves have made Thailand stand out as a safe haven to park capital, either for actual investment or speculation.

"We estimate that the country's current account will record a surplus of US$33.8 billion this year, a reflection of imbalances in the economy," Mr Kobsidthi said.

Thailand's current account surplus totalled $33.2 billion as of November 2019, accounting for 5.3% of GDP, according to Bank of Thailand data.

The country's trade surplus with the US was $19 billion in 2019, according to the US Treasury Department.

Although the Bank of Thailand's Monetary Policy Committee is expected to make another 25-basis-point rate cut this quarter to shore up economic growth momentum and fend off appreciation, limited monetary policy space will still put pressure on the baht's upward trend going forward, Mr Kobsidthi said.

Thailand's GDP growth is projected at 2.7% this year, supported by fiscal 2020 disbursement budget and public investment, he said.

Drought is anticipated to incur economic losses of more than 20 billion baht or 0.1% of Thailand's GDP, Mr Kobsidthi said.

If economic losses stemming from drought and fourth-quarter GDP growth data are worse than expected, the 2.7% growth forecast could be downgraded, he said.

The tweak to ease loan-to-value (LTV) regulations is not projected to rev up property sales, he said, as purchasing power has been dented by elevated household debt, which accounts for 79% of GDP.

The ratio of household debt to income is as high as 220%, contributing to a slowdown in private consumption, Mr Kobsidthi said.

The Bank of Thailand has eased the LTV rules governing mortgage lending, shortening the minimum debt-servicing period for first mortgages required for those seeking a second loan for homes priced below 10 million baht.

Another change was lowering the minimum down payment for first mortgages for homes valued at 10 million baht or more.

まだまだ続くタイバーツの独歩高?(その1)

Thai Baht4日前のバンコクポストによれば、カシコン銀行が2020年もタイバーツの上昇が続くだろうと発表したそうです。

カシコンは昨年後半あたりからタイバーツの上昇を予想していて、このところ何度もそういうコメントを出してきています。

ただし、つい最近はタイ政府の介入もあって、ドルバーツはやや落ち着いていますが、これも長くは続かないというのが大方の予想のようです。

実は私も、この分ではしばらく新しい不動産を買うこともないだろうと、ちょうど
先週の木曜、アソークのCITIバンクに行き、手持ちのバーツ資金を米ドル建てのミューチュアルファンドに入れたいと、担当のフィナンシャルアドバイザーに伝えました。

すると、バーツはまだ高くなりそうなのでやめておいた方がいいのではないかといわれ、そういうことならと、結局はバーツ建てのインカムファンドでしばらく運用することにしました。


私の場合、投資信託で大きく儲けてやろうなどとは思ってないので、株式のファンドは避けてパンタバット(ボンド)のファンドで常に運用するようにしているのですが、こうやって一旦、ファンドで投資運用しておくと、次回海外に送金する時に資金の出所を聞かれなくてすむのです。

今は、資金ソースが不明の場合、マネーローンダリングを防止するために、海外送金は1回につき2万ドルまでという制限があり、これに引っかかると何回にも分けて送金することになり、それを避ける一つの手がこういったファンドでの運用です。

将来、
またコンドミニアムに投資する時にも、海外から外貨で送金された資金で100%購入しなければならないというタイの不動産購入要件があるので、このファンドを解約して一旦日本に送金し、折り返しで日本円のままバンコクに送り返せるので、今のうちにファンドで運用しておけば小回りが利き便利です。

次回に続く

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どこまで進むタイバーツの独歩高?

USDTHBJPYTHBHKDTHBこのところ、タイ経済の回復に伴い、バーツの独歩高が続いています。

これは今日時点の主要通貨との交換レートですが、左側の通貨と右側のタイバーツの交換レートの月次推移を表しています。

つまり、グラフが下降するほどタイバーツ高になります。

ここ数年、金額ベースでバンコクのコンドミニアムを最も多く買ってきた外国人は香港投資家ですが、香港ドルの動きを見ればその理由がわかります。つまり、香港ドル高タイバーツ安の間であれば、タイの不動産は非常に割安に見えたわけです。

しかし、ここにきてこれだけ急激にタイバーツ高香港ドル安になってくると、そろそろ香港投資家の勢いも失速するかもしれません。

一方、日本人にとってタイの不動産が格安だったのは1万円が4千バーツ以上に交換できた2012年末頃までで、それ以降は猛烈なバーツ高円安になってしまっているのがわかります。この時期から日本人投資家と逆行して次第に市場でのプレゼンスを上げてきたのが香港投資家だったわけです。

さらに、基軸通貨である米ドルで見ても、
2013年3月に1ドル29バーツ割れまでバーツ高が進みましたが、今はそれに向かってこの1カ月でバーツの価値が急激に変動しているのがわかります。従って、今、まさに米ドル、日本円、香港ドルに対するタイバーツの独歩高が続いているわけです。

ところで、ここまでバーツ高になると、これまでタイ経済回復を牽引してきた輸出と観光という2つの両輪に次第にマイナスの影響が出てくるのではという懸念がタイのアナリストなどから出てきています。

タイバーツは過去10年間での最高値に急速に近づきつつあり、そんなにいつまでもバーツ高は続かないだろうと私も思うし、
いずれにせよ、この1カ月のタイバーツ高はちょっと急すぎる感があるので要警戒です。

それで私が今、何を考えているかというと、これだけ基軸通貨の米ドルに対してタイバーツが高いのであれば、中長期的に為替リスクはほとんどないのではないか、むしろ、将来バーツが安くなった時に買い戻して為替差益を取れるチャンスではないかということです。

従って、
昨年売却した2物件の手持ち余剰資金のタイバーツを、今のうちに米ドルに換えてカンボジアの銀行で米ドル定期預金で5%/年の金利を取るとか、リスクの低い米ドルのオフショアファンドに投資して運用してもいいかと検討中です。

もっとも、為替の予測だけはどんな有名なアナリストでも当たらないことが多いので、当然、その判断は投資家の自己責任ですが…。

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藤澤愼二 ฟุจิซาวะ ชินจิ

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