1.本プロジェクトの進行状況を説明すると、弊社はEIA(環境影響評価)の許可取得手続き中であるが、これが取れるまで着工できない。
2.現在、予想外の問題が発生し、当初計画から着工が大幅に遅れる結果となっている。
3.しかし、弊社はEIAの諮問委員会であるONEPと協議を続けた結果、今年の第3四半期にはEIAの承認が降りる見込。
4.こういう状況ではあるものの、購入予約契約から今までの長期にわたり貴殿にご心配、ご迷惑をかけたことを弊社も認識しており、特別値引きとして、竣工後の土地局での所有権移転登記時、1%の移転税を免除する。
5.弊社はこれまで20年間、業界のリーダーとしての経験と実績があり、これまで1プロジェクトたりともEIAの許可が取れなかったことはなく、本物件についても許可取得に自信を持っている。
あとは、お決まりの宣伝文句である、このIDEOは最高のロケーションと品質であるとか自画自賛が続くのですが、最近のトラブル続きのIDEOに対する消費者の評価は厳しいし、そんなのを訳しても仕方がないので省きます。
それに、引渡し時にトランスファータックスの1%をデベロッパーが負担するというのはどこでも一般的に行われている引渡し促進のためのインセンティブであり、特にここでもったいぶって持ち出すような値引きではありません。
ところで、以前、このブログでも購入を勧めたサムローンのメトロポリスも、実は当初計画に対してEIAの認可が降りず、急遽階数を減らしてユニット数も減らしたという経緯があります。彼らは着工が遅れることを恐れてすぐにEIAの要求に応じたわけですが、ここで気になるのは、プリセールで販売したのが昨年の6月でありながら、アナンダ・三井不がいまだに売買契約してないというところです。
今、バンコクもグリーン化が注目されていて、環境への配慮が重視されるようになってきています。従って、案外、デベロッパーのプランに対して相当な床面積を減らせという深刻な要求が出ているのかもしれません。しかし、もう売ってしまっているのに、そこを削れといわれると困ってしまいますね。
いずれにせよ、昨年6月のプリセールで購入予約契約をしてくれた何百人もの消費者に対し、もうキャンセルしたいという申し入れを受け付けず、またちゃんとした状況説明もしてこなかった顧客無視の態度では、タイ人の間でアンチアナンダの消費者が増えても仕方がないように思えます。
しかも、この手紙では、今年の第3四半期に許可が取れそうだというのですが、それだとプリセールからもう1年以上経ってしまいます。また、タイの場合、こういう予定は大体遅れるし、これまでのデベロッパーの対応からも、それもあまり当てにはならないような気がします。
購入予約してもう1年近く経つのに売買契約もせず、しかも予約契約の解約にも応じない。一方、EIAの認可が取れないために着工のめども立たないという状況では、自宅として自己居住目的で買った消費者にとってはいつまでも転居の予定が建たず、全く冗談じゃない、というのは、まさにごもっとも、だと思うのです。
著書でもチュラロンゴン大学の調査結果を挙げて書きましたが、タイの不動産購入においてはデベロッパーのCRM(顧客満足度向上姿勢)は非常に重要だということでもあります。