昨日、新しくできたセレス・アソークのモデルルームを見てきました。「竣工したセレス・アソーク」で紹介しているものと同じ、北東角部屋の70㎡、2ベッドルームのショースイートができたということなので行ってきたのですが、バンコク在住で、もしこの物件に興味がある方は、是非見てくるといいです。
なお、このモデルルームは13階にあるので、左手前にある建物で眺望が一部遮られていましたが、「セレスアソーク、クライアントからの最後の損切オファー」で紹介している私のクライアントが販売中のユニットは28階なのでその建物より高い位置にあり、眺望はもっと開けています。
このモデルルームを見ることで、少なくとも生活していく上で最も重要な使い勝手や内部仕様のクオリティやグレード感がわかります。
一方、その後、セレスのすぐ斜め後ろに竣工したばかりのメージャーデベロップメントのムニーク(正確にはมิวนีคと書くのでミウニーク)も見てきました。
前回「スクムビットのラグジュアリー需要に回復のサイン?」で書いたように、CBREがポジトークでやたら持ち上げているので、どれほど割安感があるのか興味があり、見比べてきたわけです。
その結果、結論から先にいえば、ムニークはセレスより明らかに格落ちプロジェクト、というのが私の評価でした。部分的には、ロビーがセレスより広々していて開放感があったりするのですが、エレベーターのかごや居住階のホールウエイの仕様がやや安っぽく、しかも、最も重要な専有部分である室内のグレード感も天井は2.7メートルと低く、据付の家具のクオリティもラグジュアリークラスにしては満足感を持てませんでした。
また、前回書いたように、30,000バーツ/㎡~80,000バーツ/㎡ものディスカウントという触れ込みで、この値引にはかなりのインパクトがあったのですが、やはり、この話にも裏がありました。
値引が大きいこのホットユニットは全部で10ユニットしかなく、そのほとんどが写真左の建物に面したユニットでした。
私は午後3時前にムニークの現場に行ったわけですが、その時間帯でもこれらの南向きユニットは隣の建物に光が遮られて中は薄暗く、また、距離が近すぎて窓から隣の建物の中までよく見えてしまうという居心地の悪いユニットでした。
これらが値引後で21万バーツ/㎡のホットプライスということだったのですが、いくらCBDの特別値引きユニットとはいっても、これではまず売れないだろうというのが私の印象です。
そこで、上層階の眺望のいい部屋はないのか聞いたところ、眺望の開けた高層階の55㎡、北東角部屋(赤い線で囲った部屋)が2ユニットだけ残っていて、このうちの一つ、18階の物件が30万バーツ/㎡ということでした。また、そこから直接交渉でいくらかは値引ができるが、棟内で一番人気のあるユニットなので、大した値引はできないということです。
従って、ムニークの場合、高層階のスクムビット23に面している東向きユニットについては、眺望はセレスのそれと全く遜色はないものの、室内のグレード感でやや格落ちというのが私の評価です。
ただし、ムニークがプロジェクトとしてよくないということでは決してなく、この図にあるように、最初のプリセール価格で比べれば、そもそもムニークはセレスよりも58,000バーツ/㎡も安かったことがわかります。それを考慮すると、グレード感でセレスより落ちるのも当然のことだと思うのです。
逆にいえば、これよりグレード感のあるセレスの28階、北東角部屋の損切物件が22万バーツ/㎡台で買えるのであり、ある程度物件のクオリティやグレード、建築工法の違いがわかる人なら、迷わずこのセレスの損切物件の方を選ぶと思います。
ちなみに、アソーク界隈では、最近、次々とラグジュアリークラスの新築プロジェクトが竣工を迎えつつありますが、これらをロケーションを別にして、建物としてのクオリティやグレード、ランドスケーピングに限定して比較した場合、まず横綱級はシンハーのエッセ・アソークだと思います。
そして、大関級がセレス・アソークとロフト・アソーク、それに対し、ムニークはせいぜい関脇級というのが私の評価であり、たとえ眺望の良い高層階であっても、これを25万バーツ/㎡~30万バーツ/㎡も出して買うのなら、正直、私なら食指が動きません。
以上ですが、セレスのモデルルームと竣工間もないムニークのモデルルームを同時に見比べての率直な感想なので、ほとんどバイアスはかかってないし、10年持つことを考えたら、構造的にもやはり、セレスが一押しだと思いました。
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